早嶋です。
タイトルのデュラエース(DURA-ACE)。これを見てシマノのコンポーネントを思い出した方は立派なチャリンコマニアですね。
自転車の変速機などの部品を手がけるシマノ。今では、シマノの部品が使われているかどうかで自転車購買の判断をするくらいです。シマノは世界的企業ですが、現在も創業時と変わらず大阪府境氏に社屋を構えています。シマノが自転車界でリードしたきっかけは、これまで各専門メーカーがそれぞれ提供していた自転車の部品を、トータルで提供し付加価値をつけたことにあります。
それまでは、シマノも他社同様に単体部品を大量生産するメーカーでした。それをディレーラーやブレーキ、クランクセットなど自転車の心臓部ともいえる部品を組み合わせて提供することを切欠に世界企業へと変貌を遂げていきます。
そしてその機軸となったブランドがデュラエースです。この部品を使用した自転車が1999年7月25日、世界最大の自転車レース、ツールド・フランスを制しました。当に、部品メーカーが世界的なブランドに変化した瞬間でした。
現在、世界で毎年約1億台の自転車が販売されていますがシマノがターゲットとする市場は欧州や北米など自転車をスポーツとして利用しているハイエンドなマーケットです。全ての自転車市場を狙うのではなく、あくまでハイエンド市場をターゲットとすることで部品メーカーであってもその存在感とブランド価値を維持向上させているのです。
部品メーカーといえば下請けのイメージが強く売り手の交渉力は弱い立場になりがちです。しかしシマノは部品メーカーのグッチのような存在を演出しながら、自転車の最上位のコンポーネントを提供しながら、イタリアのカンパニョーロ社とプロ市場を二分しています。
下請けとして部品を提供しているメーカーは、シマノのような戦略を掲げて方向転換をする時期を迎えないと韓国や中国と戦えば体力勝負でもたなくなる時期がやってくるかも知れません。