ヴィトンのバック

2008年9月9日 火曜日

早嶋です。

ブランドバックといえばルイヴィトン。ブランドデータバンクの調査データによればヴィトンのバックは日本人女性の17%が保有しているといいます。世帯年収別で見ると400万円から600万円層がボリュームゾーンで最も多く、400万円以下の層でも12%が持っています。

肌感覚あっていますよね。通りを歩けばヴィトンのバックを持ち歩いている女性を数多く見かけます。ヴィトンはブランドバックでありながらも、あたかも大衆商品のよう。持っていたからといってさほど価値が無いようにも感じます。

これはヴィトンばかりではありません。日本人のブランド志向は極端な話をすると、バックはヴィトン、車はベンツ、時計はロレックス。通りを歩けば、3点セットを当たり前のように目にします。

ルイヴィトンの欧州以外での海外進出1号店は日本でした。そして、ルイヴィトンは日本進出のときに様々な条件をかたくなに守っています。特に適正価格を保持するというコンセプトはすばらしいです。ヴィトンはバーゲンセールを行いません。デパートなどに入っていてもデパートの割引やポイントカードプログラムにも参加しません。この姿勢は現在でも貫いています。

街の中でたくさんのルイヴィトンを見かけますが、それでもブランドの希少性があるのはヴィトンが継続的に行っているブランディングの成果なのです。ヴィトンが希少価値を維持するために適正価格以外にもあります。新作の投入です。基本はモノグラムを維持しつつ、新作を矢継ぎ早に市場に投入しています。この傾向は98年頃から如実になり、米国人デザイナーのマーク・ジョイコブとのコラボ、村上隆などポップアートでのコラボなど、常にファッションを発信しています。

ルイヴィトンは、アンゾフモデルで言う製品開発戦略を取り、多品種少量生産によりアイテム数を増やし、希少性を高めているのです。一方で更にラグジュアリーな商品展開を行い、一つ購入すると次もほしい!という感覚を消費者に提供しているのでしょう。

現在、モノがあふれていて価格競争に陥る中、ルイヴィトンがとっている差別化戦略は様々なブランディングの参考になると思います。



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