早嶋です。
本日は、福岡で終日マーケティングの研修後、その足で小田原に移動しています。結構な移動でした。
さて、ブログ「Eating the Big Fish」でリーダー企業の優位性についてコメントしましたが、今回はあえてネガティブな視点を2つ考えて見ます。
1つ目。通常の業界ではある程度シェアがおおきくなればさまざまなメリットが生じることは先般コメントしたとおりです。但し、デメリットも生じるでしょう。業界で高いシェアを獲得していれば、ある程度までの顧客獲得は低いコストで達成できるようになるでしょう。そのためシェアが増えるにつれて利潤も増えるでしょう。しかし、ある臨界点を超えて高いシェアを狙うには利潤を犠牲にする場合があります。
例えば、判官びいきの存在です。なぜか、1位やトップを嫌う人々です。巨人が強いから阪神ファンみたいな例です。仮に、リーダー企業がこのような人々にまで何か商品を購入していただこうと考えたら、予想外のコストがかかることでしょう。
2つ目。シェアを1位として存続するのが難しくなる場合です。例えば技術革新によって既存の大規模な生産設備が陳腐化したり、長い時間かけて培った経験効果が失われたりなどです。ここは、企業の規模が大きければ大きいほど注意を要すると思います。
ハードディスクドライブがもし、フラッシュメモリーにとって変わるような事があれば、ハードディスクドライブの技術的なシェアが陳腐化していくことが予測できます。
カラオケを以前作っていた企業は映像を手がける企業が多かったです。これは、カラオケは映像を見ながら歌う!というルールが当時存在したからです。しかし、技術の進歩によって、ネット配信ができるようになるとカラオケはとにかく新しい歌、インディーズでも何でも歌えたほうがよい!というルールに変更していきます。すると、当然、カラオケの機器でトップシェアを維持してきた映像機器メーカーは技術についていくことができず、シェアを落とすどころか、現在では業界からも姿を消しています(ブログ「パラダイム」「パラダイム進化論」を参照)。
とは書いたものの、やはり1位のメリットは魅了的です。一度トップに躍り出れば諸費者の頭の中にはNo.1ブランドのイメージが残ります。流通や小売もトップ企業に有利に動いてくれるでしょう。規模の経済が効いて安く作れるようにもなるでしょう。シェアを維持する経費も2番手以下よりも少なくすむでしょう。やっぱり魅了的です。
チャレンジャー企業がリーダー企業に対してその座を奪おう!と果敢に挑戦するのはそれなりの理由があるのです。但し、物事を考える場合は、両方の視点を一様もっていることも大切ですね。