早嶋です。
今週、再び新横浜です。
さて、企業が一般に利用する情報は4つに分かれています。生情報(Data)、情報資料(Information)、知識(Knowledge)、理解(Understanding)です。この4つの情報は生情報をボトムとした階層上に積み上げられ、最上層の理解は意思決定に直接的な影響を与えます。上記の考え方は米国陸軍の軍事情報の種類と階層から参照しています。
生情報とは、様々に収集された情報で通常、暗号化されたりデータ化されたりしますが、ノイズがのっているためそのままでは理解困難です。医療現場では、体温や心拍数、血圧や体重に相当するでしょうか。
生情報は意志決定者が理解されやすいように翻訳され、分類され、書式化されと分かりやすく表示されます。つまり、データの処理が行われます。こうなると生情報は情報資料になります。病気の診断に例えると、技士や看護士が患者のレントゲン写真や血液検査表を準備しますが、これが情報資料に相当します。
3つ目のレイヤーの知識です。医師はレントゲン写真、血液検査表、自ら行った問診や聴診の結果といった情報資料をもとにカルテを整えるでしょう。このカルテが知識に相当します。
そして頂点のレイヤーの理解。これは知識に判断や予測を加えた極めて主観的な情報に相当します。病気の診断では、カルテをもとに医者が病気の有無や症状や治療方法、回復の可能性などを患者に告げることに相当するでしょう。
重要なことは知識を理解に転換する判断や予測が人のスキルで行われるということです。決してコンピューターなどの機械では出来ないのです。つまり、知識から理解の転換は専門的な知識と経験に裏打ちされた直観、暗黙地によるのです。意思決定者の重要な仕事の1つがまさにこのプロセスだと思います。