早嶋です。
事業承継の際の覚悟、組織からの協力のポイント、大きな決断の覚悟の背景についての回答です。
Q:ファミリービジネスで先代事業を受け継ぐ際、どのようなことを考えるか?
(ジャパネット高田社長)
子どもの時から、父親を見て、楽しそうにしていた。途中で決めて、自分から社長になることを言っていた。社長になった際に、父から本をもらった。「カップヌードルをぶっつぶせ!」だ。色々著書にはメッセージがあったが、「全て創業者のモノだと思え」というメッセージを父は私に言いたかったと思った。何が良いかは全て他人の評価なので自分の軸を持つことが大切。
事業の流れを様々な角度から検証分背して、「見つける」「磨く」「伝える」という軸で事業をしていることを整理した。そして、次々にコアとなる部分を内製化した。コールセンター、プロモーションや企画等々。
(吉野家の安部社長)
松田さんのカリスマ、そしてセゾングループの流れ。世の中には変化して良いものと、いけないものがあると思う。変化して良いものは、存在や形があるもので、全てOK。一方で、変化していけないものは、想いやミッションなどの無形のもの。引き継ぐ際に、この無形のモノを大切にした。もちろん覚悟ははじめから在った。
Q:体制を引き継ぐ際に、組織からの協力を得るためのポイントは何か?
(吉野家の安部社長)
各々常に役割がある。そして働く対象がある。常にそこに貢献できるかを考えることが大切。誰のための仕事かを意識して、役割を認識する。そして組織としての機能体として活動することが信頼につながる。それが支えになる。常に何が課題かを考える。その課題を組織に共有しつづける。一見無駄と思える行動だが、そのような直接成果を出さないが、そのような取り組みが組織の協力のポイントになる。
(ジャパネット高田社長)
組織には若手が多い。何か仕事をする際は、直接1on1のメールをする。上司の役割は一つで、全てに応えることは出来ない。従い力まなくても良い。常に、チーム、課、部、事業が評価されることが大切。自分が取り組むことより、仲間が取り組むことが事業を大きくする。
Q:BSEでの経営の教訓は?大きな判断をする際の軸は?
(吉野家の安部社長)
取り組みは2つある。長期的な判断と短期的な判断。長期的な取り組みは長期の軸で判断を行い結果的に間違いが少ないことだ。BSEの影響を考えて短期的に牛丼を中止しても長期的には再開ができると考えた。再開の時期に向けて、短期的にはブランドイメージを失うよりも、他のメニューで代替することが結果的に勝ちを継続できると判断した。もちろん従業員を食べさせるための1年分のキャッシュがあることを確認しての判断。
(ジャパネット高田社長)
帝王学はない。社長は社員の数の5倍以上の人生の責任を負う。昨日右だったとしても状況の変化に応じて左と今日言えることは大切。長崎のスポーツ振興を意思決定した際に、500億のキャッシュは在った。37歳の今を考えて、将来を見ても、長崎に今と同じくらいの平野の土地はもうでない。だめなときはごめんなさいと言って、650億借り入れした。
(関連リンク:こちらも合わせて参照ください)
2代目ジャパネットタカタ
安部修仁語録