早嶋です。
本日は健康診断でした。地元の商工会議所が提供する健康診断に参加したのですが、その医療機関のドクターの対応に憤慨しました。「もう少し、患者のことを考えて対応したらいかがですか・・・?」と。
レントゲン検査、尿検査、身長・体重・視力・血圧測定、血液検査、眼底・聴覚検査までは問題なかったのですが、メインディッシュのドクターの問診が最低です。何が最低かといえば、ドクターの対応です。
例えば脈を図る時、突然ドクターが右腕を取り何も言わずに脈をとる。そして、突然、服を上に引き上げ胸を聴診器で調べる。この間、一切何をするかの事前告知も無ければ、言葉も無い・・・。言葉を発したかと思えば、「息を吸って・・・、吐いて・・・、吸って・・・・。」しかもタイミングが早くて合うわけが無い。患者のことは一切考えず、ただ黙々と事務的にこなす。1日に何百人も診ているのであればまだ知らず、会場に人はまだら。
驚いた行動は次のこと。背中を調べるときにも何も言わずに、腰を掴んで無理に立たせて背中を向かせようとする。普通は、次に何をするかを知らせて、言葉で説明するでしょう?
思わず、ドクターに対して、「もう少し、患者のことを考えて対応したらいかがですか・・・?」と。ドクターは何でそんなことを言うの?と言わんばかりで怒り出すしまつ。今まで、一秒も自分の対応に関して、「患者が不満を抱いているだろう」なんて、考えたことが無かったのでしょう。また、この先もきっと考える事が無いでしょう。
世の中が急速に変化している中、医療の対応も変化しています。中には行き過ぎたサービスで医療とはかけ離れたサービスを提供する医院もありますが、悪いとは思いません。適切な医療を提供することをベースに、今回のような対応はやはり改善していくべきだと思います。
さて、これに関して先日、歯科医院ではありますが、「患者さんが不満を感じるときの行動について調査」しました。サンプル数は、無差別抽出で1816人、つまり統計的に意味のあるデータです。データを調査した結果は次の通りです。
1)7割の患者さんが歯科医院に対して何らかの不満を抱いている
2)不満の主たる理由は、「治療に関して」「待ち時間に対して」「ドクターの対応」に関してであった
3)不満を感じた患者の8割以上は、そのことを歯科医院に伝えることが無い
4)不満を感じたときの患者の行動として8割は何もしないことが分かった
消費者行動論でも、上記のように不満足を感じた顧客の1割程度しかそのことを当事者に伝えないというデータがあります。そして、不満足を感じた多くの顧客は、「何もしない」という行動を取るのです。人に言うわけでもなく、当事者に話すわけでもない。不満を感じているが仕方なくその医院に通うのです。
マネジメントの発明者、ピータードラッカー教授の著書、「非営利組織の経営」でドラッカーとコトラーの対談があります。その中で、非営利組織こそマーケティングが必要だと話をされています。
—以下抜粋—
ドラッカー
ところで、非営利組織がマーケティングを必要とするようになった最大の原因は難でしょうか?ニーズを捉え、顧客を満足させるためでしょうか?自分たちは何に集中すべきかを知るためでしょうか?非営利組織にとってマーケティングの本当の目的は何であるできでしょうか?
コトラー
非営利組織でマーケティングが活発になったのは、かつてないほどに競争が激しくなったためです。曲がりなりにもうまくいっている頃は、マーケティングに関心などもっていませんでした。急に自分たちが顧客を知らないことに気づいたのです。人が教会に来なくなり、受験してくれなくなり、来院してくれなくなったのです。こうして競争の激化に気づかされました。
この状況にどう対処したらよいか?もちろん最初の反応は、世の中が変わらずに、自分たちが生き残れるように祈るだけでした。祈りには祈りの意味があります。しかし祈るだけでは問題は解決しません。そこで、ごく当たり前の反応として、もしかしたら、あれだけ来てくれていた顧客がなぜ来なくなってしまったのかを知る助けになるものが、マーケティングなるものにあるかもしれないと考えるようになったわけです。
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世の中は変化しています。チャールズ・ダーウィンの言葉の通り、「強い種族が生き残るのではなく、変化に対応し続ける種族が生き残る」と思います。つまり、変化に気づかないことは致命的なことなのです。