早嶋です。
本の検索をWeb上で行い、購入。購入者は自分の購入履歴や他の読者の書評(口コミ)を判断し、次の購買の検索やセレンディピティ的な購入を楽しむ。やがて商品は本から一般的な商品に広がり、ワンクリックで購買できる手軽さから物品購入のゲートウェイとして認知確立された。2024年二にアマゾンは創業30年を迎える。
Youtubeが世の中に出始め、若者含む人口の多くがスマフォにアクセスできるようになり、媒体にも変化がでる。インフルエンサーの動画で商品の認知を得てセレンディピティ的な購入を楽しみ、商品の検索や評価そのものも文章ではなく動画で情報を得る購買行動が定着する。
TikTokに代表されるアプリは、アマゾンの疑わしい口コミや商品のラインナップをよそに、実際のインフルエンサーが直接説明をしていることから購買者はより信頼を持ちヒットしている。そして徐々にインフルエンサーそのものを推し活するなどの行動も現れ、セレンディピティ的な購買も随分と多様化した。
ユーザーの動画視聴履歴から興味がありそうな商品を推薦してライブ配信を行う手法はインタレストコマースなる呼び方が出てくるくらいECサイトでも定着している。しかし商品の充実度や品揃えにはアマゾンになかなか勝てず、年末商戦のブラックフライデーや独身の日では、価格の安さを全面に出し、他社のECサイトの顧客の乗り換え合戦を繰り返す。その手法はクーポン提示だ。最大8割引などを提示し、出品者に対しての送料や値引き原資をECサイト側が負担するという理屈なので、体力勝負の戦いだ。
そんなアマゾンが黙認するはずはなく。23年には米国で1分前後の縦長動画で商品を紹介するインスパイアという機能を追加した。インフルエンサーが投稿でき、一部アマゾンからの報酬も頂ける。思えば、アマゾンのアフェリエイトで稼ぎまくった20年前の若者も今やおじさんおばさん。その方々や今のインフルエンサーが複数の媒体を使って動画によるセレンディピティ的な購買を誘う戦いが始まっている。
ローマは一日にして成らず。アマゾンは顧客網を構築し、更に物流網を構築している。越境ECが安さで売りにしても、ラストイチマイルや国内での物流網の整備はサードパーティに任せることになる。グローバルにECでアプローチ出来ても、最後の物理的なモノのやり取りは拠点での投資が事業の肝になる。アマゾンは中国に2004年頃に進出して自社で物流を組む試みも行ったがアリババ集団などの現地大手に刃が立たず2019年に撤退している。同様に韓国やタイヤでもプライム会員を未だに提供できていない。
ネットワークでつながってもビットは瞬時に運べ分析してコピペでいるが、アトムの世界は思うようにいかないのだ。