早嶋です。
朝会社に向う途中、大量のカラスがゴミを漁っているときがあります。彼/彼女らはしきりに鳴きながら、あたかもコミュニケーションをとっているように。
バーモンド大学のベルン・ハインリッヒ博士はカラスの研究をしています。博士とその研究チームは、メイン州の寒い冬、カラスがどうやって餌を見つけるかを明らかにするために、様々な実験を行いました。
ある農家から牛の死骸を入手して森の中に入り雪の中におきます、そしてその様子をすぐ側の小屋で観察します。数日後、一羽のカラスが上空に現れ、牛の死骸を見つけます。牛の死骸は、一羽のカラスが冬を越すのに十分な量の食料です。しかし、そのカラスは一口も食べないで飛び去っていきます。その数日後、そのカラスは数十羽の仲間をつれて戻ってきたのです。
博士と研究チームは同様の実験を25回繰り返し、全て同じ結果になったことを確認しています。これより、一、二羽のカラスが餌を見つけると、数日後に家族や友人を連れてくることが立証されたのです。
秘密にして独り占めしたほうがよさそうですが、皆でシェアした方が良いのです。つまり、多くの目で餌を探したほうが餌を見つける可能性が高い、博士と研究チームは説明します。
蟻や蜂も同様の行動を取ることで知られています。口コミのことをバズといいますが、バズは「蜂がブンブン飛び回る」という語源を持っています。蜂はダンスによってコミュニケーションをとると考えられています。蜜蜂が花の群生を見つけると巣に戻ってダンスをすることによって他の蜂に花の方向を教えるのです。また、餌を見つけた蟻は他の蟻を興奮させる分泌液を出してたの蟻を餌場まで連れて行くそうです。
カラスや蟻、蜂の例で分かるようにコミュニケーションをとることは暇で暇でしょうがないからと言うことではなく、より基本的な欲求に基づいているのです。これは人間にとっても同じです。情報を共有することは、蜂や蟻、カラスにとっても重要であると同時に人間にとっても原始的には生き残るための効果的な仕組みなのです。