早嶋です。
データ分析や統計処理をしていると対数の概念が便利です。って分かっていても、logの表記や自然対数の底eを見ると、難しく感じますね。そもそも、対数はどのような目的で利用できるのでしょうか?この理解が深まれば、その発明の素晴らしさを実感できると思います。
データ分析の際に、データのバラつきやデータの変動を調べるのは定石です。そのときに、集計したデータの変動が極端に大きい場合、その変動を小さくするために対数を利用すると有用な場合があります。対数変換(logで表記される)とは、元の値の対数をとる演算を意味します。
例えば、小売業において発注頻度がさほど高くない単価1,000円の商品を想定します。ある日は1個だけ売れ、別の日は1,000個売れたとします。それぞれの売上は次のようになります。
1個の売上=1個×1,000円=1,000円
1000個の売上=1,000個×1,000円=1,000,000円(100万円)
これを対数変換すると、次のようになります。
log(1,000)=6.91
log(1,000,000)=13.82
それぞれ6.91と13.82となり、変動幅が小さくなったことが分かります。そして6.91と13.82の関係を見て見ると、2倍になっていることが分かります。これは、1,000の2乗が100万である事を示しています。つまり対数化しても比ベースで相対化されているため、変動の大きい数字を対数化することによって分析を容易にすることが出来る場合があるのです。
もちろん、対数変換は可逆変換ですので、元のデータに戻すことも可能です。つまり、次のような計算です。
exp(6.91)=1,000
exp(13.82)=1,000,000(100万)
うん、素晴らしい発明ですよね。