早嶋です。
オフィスビルのエレベーターに宅配弁当屋さんが乗っていました。そこで、「弁当は1つからでも宅配していただけますか?」と質問。「はい、大丈夫ですよ!」とにっこり。エレベーターでの会話が続き、4階で降りるときに、「弁当を注文する連絡先か何か教えてください」と。するととっさに「箸袋」を頂きました。しっかり屋号と電話番号が載っていました。
弁当のように比較的安価に購入できる消費者行動はAMTULのフレームを使うと理解が深まります。宅配弁当屋さんを見て、そのサービスを認識(A:attention)、そのことを記憶(M:memory)、何かのときに試す(T:trial)のです。
ただ、人は認識した後一度は記憶するでしょうが、ヘルマン・エビングハウスの忘却曲線が示すように、時間が来れば忘却の彼方です。しかし、「箸袋」は重要な役目を果たします。たとえ忘れても、「箸袋」は机の上に置かれています。オフィスワークで忙しいとき、その「箸袋」を見て、「弁当を注文して見ようか・・・」と購買動機につながる確率は向上するでしょう。
AMTULのMは、人が記憶するという解釈を拡大して「記憶してから思い出すための行動の一連」と捉えると、適切な情報提供とタイミングが重要になります。実際、今日の弁当屋さんは配達が終わった後に、わざわざメニュー表をオフィスまで届けてくれました。消費者が商品(製品・サービス)を認知後、興味を持ったタイミングなのでとても有用な情報提供だと思いました。もし、これが飛込みの営業で弁当屋さんがメニュー表を持ってきた状況だったとしたら、今回よりも興味レベルは低くなったことでしょう。
消費者が購買をする前、最中、その後をプロセスに分解し、それぞれのプロセスでどのような事を考えているか?感じているのか?を予測して対応すると効果的なマーケティングが行えると思います。今回の弁当の宅配屋さんのように。