これから必要なのは自己概念の再構築

2021年12月9日 木曜日

安藤です。

 人生100年時代、VUCA時代、第四次産業革命など変化のスピードは速く、どう生きていったらいいのか、働いていったらいいのか。不安に思われている方も多いのではないでしょうか。そのような時代に、現在、キャリア形成においてプロティアンキャリア、キャリア・アダプタビリティがキーワードになっています。

プロティアンキャリアとは、環境の変化に応じて自分自身も変化させていく、柔軟なキャリア形成のことをいいます。「プロティアン(Protean)」はギリシア神話に出てくる、思いのままに姿を変えられる神プロテウスが語源となっており、「変幻自在な」「多方面の」と訳されます。組織内でのステップアップに重きを置いた従来のキャリアにかわり、地位や給与ではなく、自己成長や気付きといった心理的成功を目指す。アメリカの心理学者ダグラス・ホールによって提唱されたキャリア理論です。

「キャリア・アダプタビリティ」とは、個人のキャリアにおいて、変化の必要性が生じたときにその変化を受け入れ、適応できる能力のことをいいます。キャリア研究の第一人者であるドナルド・E・スーパーによって提唱され、その後マーク・L・サビカスが発展させた概念です。マーク・L・サビカスは「キャリア構築理論」を唱え、そのなかの重要概念の一つとしてキャリア・アダプタビリティを挙げています。

上記のような「変幻自在に変化の必要性が生じたときに変化を受け入れ、適応できる」ようになっていくためには、何が必要なのでしょうか。この数年、キャリアデザイン研修、セカンドキャリア研修、そしてEAPで多くの方々とお会いする機会があります。不安を抱えていらして組織や政府に対して不平・不満を口にだされる方も多くいらっしゃいます。しかし、不平・不満をそのままに維持していても前に進めません。私たちは、変化する環境の中で不安は、なぜ起きているのかいわば、不安のメカニズムを知り自律型の人材に自らを育てることがこれからの変化に生き抜いていくことが必要かと思います。*EAPとは社員支援プログラムのことです。
自らを「自律型の人材」に育てていくには、まずは、今までの人生経験で形成してきたアイデンティティ(自己概念)、ドミナント・ストーリー(思い込みの物語り)に支配され、硬直化した心理状態を探りながら、「オルタナティブ・ストーリー(代替の物語り)」と呼ばれる、ドミナント・ストーリー(思い込みの物語り)とは別の物語を創生し、発見していくことが必要と考えれます。自分のドミナント・ストーリー(思い込みの物語り)を少し変え、気持ちが楽になり、新しい自分の発見につながる。そのことにより、心理の好転のきっかけを掴むことに繋がり、自分自身の大きなリソース(能力的資源)を活用しうる可能性の発見などができれば、きっとストレスを軽減することにも繋がり、結果として、今後の働き方に良い影響を与えることができるのではないかと思われます。ある意味では、アイデンティティーの再構築が正に必要といえるのではないでしょうか。
今回は、時代の変化に求められるのは、アイデンティティーの再構築ということについてお書きしました。キャリア形成、セカンドキャリアを構築することにも通じると思います。何かお役にたてることがありましたら、気軽に弊社にご相談くださいませ。



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