早嶋です。
「サービスの形」「サービス業」でも触れましたが、サービスの特徴には、1)無形性、2)同時性、3)属人性、4)在庫付加があります。
このポイントの中で、1)無形性について考えました。サービスは形が無く無形財の提供によって金銭の交換をしていると考えることができます。無形財を提供する場合、長期的に顧客との関係を構築したいなら、その性質を特に考えておかなければならないと感じます。
それは、無形財ならではの特徴です。「顧客は良質のサービスを受けているということをほとんど意識することは無い」ということです。特に、何らかの契約期間中、あるいは何らかのサービスを受けている時間が恒常的なモノであればあるほど強く当てはまります。
例えば、清掃サービス、銀行サービス、保険サービス、電力会社やガス会社などのインフラを提供するサービス、メンテナンスサービスなどです。
例えば、銀行。銀行と顧客の関係が良好であれば、顧客は自分が受けているサービスが良いだの悪いだの客観的に意識することは稀でしょう。では、サービスが良いとか悪いとかはいつ意識するのか?それは、サービスの状態に何か不都合が起きたり、変化が生じたときです。
例えば、銀行から間違った信用状を発行された。別の銀行から今まで以上のサービスが申し込まれた場合などです。保険サービスでは、保険の支払いを渋られたり、清掃サービスでは、掃除されたはずの箇所が汚れたりなどです。このような時だけサービスの質に強く意識がいくのです。
つまり、「顧客は得ているモノが得られなくなるその時まで得ているモノを知らない!」ということです。満足している限り、何も考えなければ、何も話すことは無い。不都合なことが起こったり、不備な点があったときに初めて購入しているサービスの特徴に気がつき、じっくり考えるのです。無形財の存在は失われて初めて気づくのです。