早嶋です。
日本には、本社と関連会社のように多くのグループ会社を傘下に配する組織を多く観察できます。95年前後までは、グループ会社の役割は本社を補佐する機能として動いていました。そのため売上の9割以上を本社に依存するという体制も当たり前で十分に機能していました。
しかしその後、ジワジワと日本経済が低迷する中、組織再編の必要性を考え始める本社は、グループ会社の存在に対してメスを入れる取組を始めます。それでも依然としてグループ会社と本社の関わりは変化せずに売上の多くを本社に依存するという構造自体は普遍のままです。
2010年頃、大きな事業変革を遂げることができない企業は、自分たちの主力事業のポートフォリオをうまく変化することができずに収益が悪化が続きます。なんとしても連結の売上を確保したい本部としてはグループ会社に対しても本社以外の売上を課すことを指示始めるのです。
しかし、グループ会社の役員クラスは本部からの天下りのようなもので、自分たちがゼロから顧客を開拓して外販する意思がそもそも弱く経験も無いのでうまくいきません。仮にうまく外販しようとすると、本部はそこは我々の領域だということでグループ会社が開拓した販路やアイデアをネコババするような動きも出てきます。
いつかは本部に戻れると考えている役員からすると、外販するも地獄、しないも地獄で動きたくても動けない状態が続くのです。そして本部の売上比率は以前高いままなのです。中には、グループ会社の効率を上げることで、本部からの売上に対して利益をたくさん残そうと考える取組もはじまります。しかし、これをやると次年度は本部からの値下げ要求に応じざるを得なくなり、せっかく工夫して取り組んでもまた本部から吸収されると感じ始めるのです。
その結果、本部外収益を掲げることがスローガンになり、今に至る企業が結構いると思うのです。