売り手として準備すると良いこと

2021年11月23日 火曜日

早嶋です。

M&Aにおいて、売り手よりも買い手がリスクを追うことが通常です。そのため、買い手に対して情報提供を適切に行うことで、極力、情報の非対称を解消するように心がけることが大切です。と言っても、ここには常にギャップが生じ、解消することはありません。そして売り手はこのことを良く理解することが大切です。

そこで売り手としては、M&Aを考える際、あるいは実際に着手する際は、買い手に対して適切な情報提供を行い、買い手、もしくは買い手のM&Aアドバイザーを介して情報の非対称性を解消する協力が必要です。

売り手としては、自社の情報を過去から現在、そして将来の見込みを含めて可能な限り可視化し、言語化した状態で買い手に共有します。そのためには、資料や書類として整理することがポイントです。その際の基本は、財務会計、事業(ビジネス)、そして法務です。

今後、自社や事業の売却を少しでも考えている場合は、買い手が自分たちの事業や企業の取組や評価が出来るように資料を準備しておくと良いでしょう。そのためには、以下のようなチェックリストを確認出来る状態にしてみて下さい。

●定款
●履歴事項全部証明書
●株主名簿

●決算書一式(3期から5期分)
●直近年度は月次での残高試算表
●商品(製品・サービス)別の収支管理
●主要な販売先や取引先のリストや概要
●借入や未払い等の残高一覧
●リース支払い等の予定票
●給与台帳、あるいは給与明細(1年分程度は最低)

●各種規定集(就業、給与、報酬、賞与、退職金、休暇、手当等)
●賃貸借契約書
●重要な取引先や顧客等の契約書
●不動産評価と不動産登記簿謄本
●主要な資産と主な使徒

●会社案内や概要の説明(Web、パンフレット等)
●業界特有の資料等
●ビジネスモデルを説明した資料
●組織図やキーパーソンを説明した資料
●従業員名簿(性別、資格、役割、年齢、入社歴、社保有無等)
●代表者及び役員略歴と現在の業務と責任

ポイントは、もし自分が買い手の立場で考えた時に、どのような資料があれば、その企業の価値を評価して投資の判断ができるかを書面で理解させる資料を準備することです。これらが分からない場合は、迷わずお近くのM&Aアドバイザーに相談をされた方が良いでしょう。



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