早嶋です。
covit-19により、オンライン化が進み、企業の重い腰を上げた効果は否めない。きっかけはイケてないが今後の未来を変えてくれた。そして、ノンアルコールの市場開発もしかりだ。
従来、飲食店に行き、特に出張中に一人で入った時に、まずはアルコールを決めなけれならない雰囲気がたまらなく嫌だった。別に飲みたくないけど、そこの料理は食べたい。でもなんとなく、「おいドリンクたのめよー」という無言の視線が痛かった。かと言ってノンアルコールにはコーラやオレンジジュースのたぐいしかなく、「料理には合わないよね、しかもこの単価とるのにこのラインナップ?」と甚だ疑問だったので「取り敢えず生」ではなく「仕方がなく生小」というのが定番だった。
ここ1年半で世界が変わりつつある。実質アルコールが禁止されているような状態なので、ノンアルコールの開発が進み始めたのだ。そう、飲まない人にとってはある意味朗報なのだ。
そもそもノンアルコールの市場ってどの程度だろう。サントリーが調べている調査によると日本のノンアルコールビール市場は年々需要が増加しており直近2020年は約7億本(350ml/本)とのこと。アサヒ飲料のファクトブックでもビール市場そのものは減少しており2020年は推定で57億本。酒税の影響やアルコールの種類が増えた事、食のバラエティが進んでいることなどが背景だろうが、飲まない選択肢を尊重する動きも、ようやく現象として見えてきたということだろう。
2010年と比較した場合、従来50人に1人程度の割合でビールとノンアルコールビールの割合だったのが、2020人には20人に1人がノンアルコールのビールになっているという換算になる。5%を馬鹿にするか、5%もあるの?とそこにニッチをつくかで、ニッチと捉えずに、一つのカテゴリだと考えた企業が出始めたのだ。
そしてcovit-19。アルコールを出せないと飲食店の利益が出ない。もっというと自分たちが儲からない。そういう背景も重なりコロナとともにノンアルコールが台頭していくきっかけを後押ししたと言っても過言では無いでしょう(正直言えば、アルコールに頼る飲食ってどうなのよ?と心では思うのだが、それは内緒にしておこう)。
上記数値を鑑みると日本のノンアルコール市場はまだまだ1,800億円程度ですが、従来のソフトドリンクと違って、お酒の代替なので1杯300円ではなく、500円から場合によっては1,000円をとっても問題ないカテゴリなのだから、「もっと企業は努力しても良いのにな?」というカテゴリなのです。
例えばフレンチを食べて、ぶどうジュースと言われたら500円でしょうが、ノンアルコールワインと言われたら1,000円払っても良い気分になるマジックなのです。であれば、真面目にノンアルコールと食事のマリアージュを考えても良いものの、企業は高いノンアルコールをまだ出す程度。と言っても、選択肢がコーラか、ジュースか、という店舗よりはまだまだマシだけど、このような飲まないでも美味しくご飯を提供してくれる店舗が今後増えてくるだろうことは嬉しいことだ。