高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、数回に分けてお伝えしています。
今回は『なぜクロージングが必要なのか?』というテーマでお届けします。
営業のプロセスはどの業種でも概ね次のようなものです。
アプローチ→ヒアリング→プレゼンテーション→クロージング
クロージングはプレゼンテーションと成約の間のプロセスです、私は「お客様に決断を促す行為」と定義しています。
「クロージングが苦手です」、「クロージングするとお客様に嫌われるようでやりにくい」、「クロージングは押し売りしているみたいでしたくない」という声を聞きます。皆さんはいかがでしょうか?
クロージングをしない営業パーソンというのは、「私は商品説明をしました。あとはお客様がどうされるか決めてください」という態度です。いっけんお客様を尊重しているようですが、私からすれば無責任に感じます。
もし「お客様にはこれが必要です」と確信して自社の商品・サービスを勧めているのなら、最後まで熱意をもってお勧めするのが営業パーソンの責任です。
クロージングにおいては「ぜひ決めてください。あとは私が責任をもってフォローいたします」という心構えが大切です。
さて今回のテーマですが、そもそも、なぜクロージングというプロセスが必要なのでしょうか?
それは、人には誰も『人間の基本的な弱さ』があるからです。基本的な弱さとは物事を先延ばしして決断しないということです。
どなたにも思い当たることがありませんか?
私だったら、仕事に役立つ講座があって申し込もうかなと考えている、けど受講料もかかるしなぁ、さんざん考えた挙句、いったん保留してしまう。これまで考えた時間が無駄になってしまいました。必要だし先延ばししても何も状況は変わらないのに、です。
このように人は特に根拠なく、『人間の基本的な弱さ』から反射的に決断を避け先延ばししてしまいます。
だから営業パーソンはしっかりクロージングして、お客様のために決断を促して差し上げないといけないのです。そうでないと、そのお客様にとって本当に必要なモノを手に入れる機会を損なってしまうことになりますからね。
商談で「考えておきます」「検討します」と言われて、「ではまたご連絡させていただきます」なんて言って帰ってくる営業パーソンがいますが、それはただの先延ばしの反射を真に受けているだけです。それでは成約になる確率が低いはずです。
クロージングでは沈黙の力を使います。
「これでいかかですか?」とお客様にお尋ねし黙ります。営業パーソンは沈黙に耐えます。
するとお客様は決断を促されることになります。そして『人間の基本的な弱さ』から先延ばしの断り文句がとっさに口に出るというわけです。
その断り文句(反論)に対し、またプレゼンテーションをし、クロージングと繰り返すわけです。何回か繰り返すうち、お客様のほうで断る理由がなくなります。ご納得いただいた瞬間です。
ご納得いただいたお客様は喜んであなたからご契約されることでしょう。
このようにクロージングは決してお客様に無理を強いることでも営業側の都合でもないのです。お客様が人間の基本的な弱さに打ち勝つためのサポートなのです。
営業にたずさわる方には、お客様のためを思って熱心にクロージングに臨んでいただきたいものです。
私の講座ではこのような営業に関する実践的な研修や勉強会を行っていますので、ご興味のある方はお問い合わせください。
営業プロセス、顧客満足、人材育成、セールスコーチなどをお考えの経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。