早嶋です。
ビジネスの世界において、アイデアは意外にあふれているように感じます。大切なことはアイデアを実行に移すこと。この点、イノベーションを「アイデアを具現化すること」と捉えると「なるほど」と感じます。アイデアが足りないのではなく、実行力が乏しいのです。
組織の中でアイデアを沢山出すタイプの人(アイデアマン)は、着想こそ頻繁に行いますが、実際に手を動かすことは苦手なのでしょう。アイデアは放っておいたらイノベーションにつながると考えているアイデアマンも居るかもしれません。
しかし、何もしなければアイデアは着想で終わります。つまり、アイデアの着想=イノベーションと捉えてしまうのはすごく危険です。これは、冒頭に書いたようにイノベーションは着想したアイデアを具現化することだからです。
では、アイデアを実現するためにはどうしたらいいか?T・レビットは彼の論文、「Creativity is not enough」の中で次の2点を指摘します。
1)現実を直視せよ
2)アイデアを投げかけると同時に責任あり姿勢ととれ
アイデアマンの話を聞く人間(通常は上司が多い)は、絶えず難題を抱えている場合が多いです。そのため、新しいアイデアを敬遠する傾向があります。アイデアマンはこの事実を踏まえた行動をすることによって、1)現実を直視することが大切です。
また、アイデアを投げかける際には、少なくともアイデアを具現化するためのざっくりとしたコスト、リスク、必要な資源、期間などを示すべきです。これは、アイデアを実現するにあたって評価しやすくなり、提案相手の負担を減らす働きもあります。このような責任のある姿勢を示すことがアイデアの着想をイノベーションに発展させる可能性につながるのです。
「決してアイデアが足りないのではない、足りないのは実行力だ」実に、含蓄のあるフレーズだと思いませんか?