期待値及び分散原理

2008年1月13日 日曜日

早嶋です。

確実性と不確実性の続きで、リスクの意思決定についてです。リスクの意思決定とは、ある選択を決定しても、その選択によって起きる結果は確定しておらず、その代わりに、ある結果が起こる確率がわかっている意思決定です。

リスクの意思決定は、起こりうる結果の確率が分かっている場合と分からない場合の2つに分けることができます。どちらの場合でも、検討するときは確立論に基づいて意思決定をする性質を持ち合わせます。そして、リスクの基での意思決定には唯一の正解も存在しないというのが特徴です。

リスクの意思決定の考え方には、「期待値原理」「期待値及び分散原理」「最尤(さいゆう)未来原理」「要求水準原理」の4つがあります。

では、期待値及び分散原理について見て見ましょう。期待値及び分散原理は、期待値に加えてリスクのバランスに応じてどの程度リスクをとるか?というリスクの選好度合いに応じて意思決定する考え方です。

例えば、選択するプロジェクトからの期待利益率が同じであった場合、一方のプロジェクトはバラつきが大きいのに対して、もう一方はバラつきが小さいとします。この場合、バラつきが小さいプロジェクトを選択するでしょう。

例えば、選択するプロジェクトからの期待利益率が多少小さい場合でも、バラつきが小さい方のプロジェクトを選択するかもしれません。

期待値及び分散原理は、上記のように期待値とバラつき(分散のバランス)から代替案を選択します。この考え方はリスク選好によって大きく意思決定が異なる点がポイントであり注意すべき点です。

リスク選好は意思決定者によっても異なるし、状況によっても大きく違います。身近な例で考えて見ましょう。比較的リスクテイクなHさんは独身で自分の可能性を信じて常に高いリスクをおった仕事を行ってきました。しかし、最近、1児のパパとなったHさんは、リスクの高い仕事よりも比較的リスクの低い仕事をより多く行うようになるいました。まさに状況の変化によってリスクの選好度合いが変わった例ですね。

意思決定を行う際に、意思決定者がどの程度のリスク選好を持っているか?を考えることも重要なのです。



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