早嶋です。
正月気分も今日までという方が多いのではないでしょうか?世の中はすでに動いていますね。
確実性と不確実性の続きで、リスクの意思決定についてです。リスクの意思決定とは、ある選択を決定しても、その選択によって起きる結果は確定しておらず、その代わりに、ある結果が起こる確率がわかっている意思決定です。
リスクの意思決定は、起こりうる結果の確率が分かっている場合と分からない場合の2つに分けることができます。どちらの場合でも、検討するときは確立論に基づいて意思決定をする性質を持ち合わせます。そして、リスクの基での意思決定には唯一の正解も存在しないというのが特徴です。
意思決定をするセオリーとしては、どのような選択が最も好ましいのか?という選好によって意思決定を行います。そして、そのときの基準とする考え方には、「期待値原理」「期待値及び分散値原理」「最尤(さいゆう)未来原理」「要求水準原理」の4つがあります。
では、期待値原理について見て見ましょう。期待値原理に基づいた意思決定を行うと、「年末ジャンボ宝くじを買う人は経済人ではない!(合理的な人ではない)」となります。詳しくは、年末ジャンボを参照して下さい。
期待値原理の考え方は、想定しているケースにおいて最も期待値が大きくなる選択肢を意思決定の判断条件として選択する考え方です。
期待値原理を使った弁当屋さんの事例です。たとえば、ある弁当屋さんでは、500円の弁当、600円の弁当、700円の弁当を販売しているとします。この弁当屋さんの平均販売価格は600円です。さて、この計算は正しいでしょうか?
(500+600+700)/3=600
ある日、この弁当屋さんで500円の弁当が120個、600円の弁当が60個、700円の弁当が30個売れたとします。弁当ひとつの平均価格が600円だと、この日の売り上げは126,000円売れたことになり、実際と異なりますね。
600×(120+60+30)=126,000
となると平均価格はどのように計算すると良いでしょうか?
(500×120+600×60+700×30)/210=557.1
上記のように計算すると、良いですね。これは、実際に売れた弁当の個数を各弁当の価格に掛け合わせ、合計した後、全部の個数で割っています。数学では、実際の個数を掛け合わせることを「重みをつける」と表現するため、上記の計算は「加重平均」と呼びます。上記の式を少し変形してみます。
500×(120/210)+600×(60/210)+700×(30/120)
このように表記すると、500円の弁当が売れた個数の割合が(120/210)となり、それぞれの弁当が売れる確率を表していることが分かります。したがって、上記の加重平均の式は、弁当の価格(確率変数)にその弁当が売れる確率を掛け合わしたものの合計であることが分かります。この結果こそが期待値となるのです。
したがって、弁当が1つ売れるときの期待値は557.1円なので、平均販売額も557.1円とすることができます。
上記の考え方も期待値原理を用いた考え方です。残りの3つ、」「期待値及び分散値原理」「最尤(さいゆう)未来原理」「要求水準原理」はまた次回、紹介します。