火に油を注ぐ統合

2021年2月24日 水曜日

早嶋です。

過日のこと。過去何度も家具を購入していた店舗が新しく家電を扱うとのことで冷蔵庫を購入した。今の冷蔵庫は機能的に問題が在るわけではないが、度重なる引っ越しのため多少ボコボコになっており、子供の成長とともに容量に余裕があったらいいねという背景からだ。

一方で、冷蔵庫を今置いている場所までの導線にやや難ありで、運ぶのが大変だろうと思い、事前に家具屋さんに相談。更に現地を見て頂き、別途特別料金を支払いOKとのことで購入に至った。ちなみに現調に来た方は丁寧で写真を取りながら運搬のシミュレーションを行っていた。

が、当日。古い冷蔵庫を運ぶタイミングに手すりや床などを激しく損傷している。現場には妻が立ち会っており、その場で電話を受けた。当初運搬していた方々は、「我々がツケた傷ではない」「冷蔵庫にも傷がない」「はじめからの傷では」と堂々と嘘をついたという。私は妻の危険を感じすぐに家に飛び戻る。

リーダー1名、部下3名。男手4人で緩衝材をつけて作業すること無く運搬。現場の梱包開放の粗さや作業途中を見る限り起こるべくして起きた事故。記録のためすべて写真に収める。推測だが本部や調査部隊の報告書など水に当日作業をしている様子。あるいは当日ちょろっと目を通して、リーダーの判断で適当に運んだに違いない。残念ながらそのような形跡にしかみえなかったのだ。

実施に運搬していた2人と他の2人は、私が戻ると態度が一変して主張を変えている。自分たちが傷つけたと。しかし、明らかに不服そうな目をしており、しかもリーダーらしき人間に状況を伺い話を聞くも目が泳いでる。事前に支払った金額には冷蔵庫の代金と通常の運搬代金に加えて、特殊な要領で運ぶための追加料金も支払った契約だった。

当時、契約を担当された方にその場で連絡をして、現場を調査した方にもヒアリングした。どのような手順で運び、どのような指示をしたか確認した。現場の手すりや階段に一定の保護を施した後に運ぶなど細かい指示をしていると言う。が、現状と写真を見せて絶句。現場は全く指示に従った作業ではなかった。

妻が感じたであろう恐怖に加え、現場のリーダーや若者が些細なことを隠して嘘をついて乗り切ってきたであろう背景がみえた。煮えきれない。加えて、本部の仕事が現場に伝わわず、それを放置している状況が垣間見えた。

その家具屋は長年親子関係のゴタゴタで経営層はかなりトラブっていた。一方で家具を展示し説明し運搬する店舗や現場は全くの粗相が無く気に入っていた。結果、経営陣が変わり新たに家電を扱う状況になった。家具の単価は数十万から数百万。家電の単価は高級と言えども数十万。家具を運搬する部隊と家電を運搬する部隊は別系統のようでトレーニングがバラバラ。そこらの引越屋さん以下である。

家具と家電が両方変えて便利だと思っていたが、購買後のフォローと設置は、そもそも異なるのだ。この統合はしばらく時間がかかるだろう。それから現場の粗相は今後も続き、結果的に家具屋と電気屋のブランドは地に落ちると見る。

その電気屋はコロナを機に地方の店舗を増床する計画を発表している。家電を売ることばかりに目が行き、設置は相変わらず第三者の地場企業に丸投げ。売った後のフォローなんてこれっぽっちも考えていない様子。

そう言えば、昔同じ電気屋から目の付け所がシャープな商品を購入し設置してもらったことがある。冷房機だ。結果、廉価版に設計した商品で、この時代に十分な機能を果たさず返品したことがある。聞けば値段を下げるために機能を落としているとか。常に売ることしか考えていないメーカーはそう簡単に考えを変えないのだろう。

どこの世界でも現場や子供の粗相はすべてが親の責任。資本競争や売上競争に明け暮れる前に、既存の顧客や現場の様子を自分で見て確かめるべきだ。が、一生そのようなことはできないだろう。



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