大盛の美学~スタバ編~

2007年11月25日 日曜日

早嶋です。

以前、プライシング(価格設定)の話しで焼きそばの大盛りは消費者にとってもお店にとっても双方にお得感があることを書きました(大盛の美学参照)。

これは、スタバのコーヒーの価格設定に対しても同様のことが当てはまります。早嶋がよく飲むカプチーノで考えて見ます。カプチーノの価格設定は、次の通りです。
 
○ショート(S)  240cc ・・・¥310 
○トール(T)   360cc ・・・¥360  
○グランデ(G)  480cc ・・・¥410 
○ベンティ(V)  590cc ・・・¥460

これを見るとショートとグランデは量が2倍なのに価格差は100円である事が分かります。これだけ見ると、顧客からするとお得ですよね。では、スタバにとってもお得なのでしょうか?

これを説明するために、カプチーノ1杯分の利益に関しての仮説を立てました。カプチーノを作るためには、エスプレッソとミルクが必要です。必要な豆は10g程度、ミルクは100cc程度でしょうか。これに必要なコーヒーとミルクの原価を30円程度とします。

次に販売費及び一般管理費の中で大きな割合を占める家賃と人件費を考えます。
○人件費
大手門の近くにあるスタバでは、アルバイトの時給は750~950円です。仮に850円とします。カプチーノを注文してお金を支払って受け取るまでに5分程度かかります。受付とバリスタ2名が5分働いたと仮定すると、1杯当たり140円の人件費がかかります(8550円÷60分×5分×2人)。

○家賃
地域によって値段に差が出ると思いますが、30万/月と仮定すると1日につき1万円必要です。1時間当たり20人の来客が来て、10時間営業すると仮定すると、1人当たりの家賃負担分は50円(30万÷30日÷10時間÷20人)です。

○その他のコスト
電気代、水道代や紙コップなど、その他のコストを30円とします。

以上をまとめると、カプチーノのショートサイズ1杯当たりの利益は60円(税金を無視する)と計算できます。

 310円-(30円+140円+50円+30円)=60円

では、量を2倍にしてグランデを提供した場合は、どのように変化するでしょうか?

ショートを作るのも、グランデを作るのも人件費としての手間は大きくかからないでしょう。そのため、余計に価格コストは、原価が2倍の60円(30円×2倍)になる程度です。

同様に、カプチーノのグランデサイズ1杯当たりの利益は130円(税金を無視する)と計算できます。

 410円-(60円+140円+50円+30円)=130円

利益が2倍以上になりましたね。と言う事で、スタバに対しても大盛の美学は適用するのです。



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