原です。
自然は恵みでもあり脅威にもなります。
自然は、CO2削減、観光によるリフレッシュ、四季の野菜を育ててくれるなど人々に多くの恵みを与えてくれます。一方、震災、水害、山崩れ、噴火などを引き起こすエネルギーにもなります。近年は、特に温暖化からの豪雨による水害や山崩れが日本各地で発生しています。
今回は、雨水と山の関係から自然災害について考えてみました。
山には、多くの植物が育っておりCO2の削減の働きがあります。さらに、水を蓄えておく大切な働きがあります。しかし、山が荒廃すると川の水が一気に増えてしまうのです。
なぜならば、山に雨が降ると雨水が流れます。木の葉や草にたまった雨水は、そのまま蒸発します。土に落ちた雨水は、地中に染み込んでいきます。山の土の中には、植物の根と土の間のすき間やモグラやミミズなどの小さな生物の通り道など、さまざまなすき間があります。すき間に染み込んだ雨水は、山の木や草などの根から吸い上げられていきます。
しかし、全部が吸い上げられるわけではありません。染み込んだ雨水の多くは、ゆっくり時間をかけて、さらに下へ下へと降りていき地下水となります。地下水はやがて川に流れこみます。
つまり、山は一時的に水を溜め込む「天然のダム」の働きをしているのです。
だから、山が荒廃すると雨が降った時に川に流れこむ水の量が増えます。大雨の時は、土が流されて雨が一気に川に流れこみます。その結果、川の水が溢れ洪水が起こりやすくなるのです。
一方、山の「天然のダム」が全て良いかと言えば、そう単純なことではありません。
なぜならば、私の故郷では3年前の山崩れの原因は、山の地下水(天然のダム)が原因によるものであると、数名の大学教授らの地質研究者チームが調査結果を発表しています。ただし、研究チームは具体的な解決策の提案はできずに、現在も山崩れ付近の地質調査を継続している程、山の地下水の問題解決は難易度が高いのです。
本来の天然のダムの働きは、「一時的」であることが目的です。しかし、ダムの水が溜まり続ければダムは崩壊します。山の天然のダムも溜まり続ければ山崩れにつながります。
つまり、豪雨以外の原因では、山の荒廃が天然ダムの荒廃になり、水害へとつながっていると仮説を立てることができます。
だから、山の木々が天然のダムを形成し雨水を「一時的」に蓄え、溜め込み続けることなく地中から川へ流れるように人工的に手を加えることが必要なのです。
しかし、材木を材料として使用するニーズの低下、外材の輸入、林業の担い手減少、森林組合など森林保全団体の限界など山林再生への動きは低迷状態です。
災害への対策には、政治や行政によるインパクトのある具体的な実行案とリーダーシップが必要です。
しかし、政治や行政に頼るだけでなく、日々の小さな一歩は企業や組織、国民が取り組むべきです。
だから、私と兄らは、故郷の里山の再生を農園再開発だけでなく、山林の間伐作業まで長期計画で取り組むことにしたのです。
文字で表現されているように、田畑だけでなく山のことまで考えなければ「里山」再生とは言えません。
数年前までは仲間を集めて楽しく農園作業に取り組むことを考えていましたが、災害により状況が大きく変わりました。高度かつ危険な作業のため、山や災害のプロフェッショナルらとは連携していきますが一般は募集しません。その代わりに労働生産性を高めるため、機械はフル活用していきます。実用性のあるロボットの開発も課題です。
「テーマ:自然災害への対策」
■あるべき姿:大きな災害がなく、自然の恵みとの共存による豊かな暮らし
■現状:水害や山崩れによる被害が多発
■問題:環境破壊対策や自然を守る活動が足りていない
■原因:経済重視の政策、環境教育の欠如、環境保全への取り組みが目標設定されていても活動が足りていない
■課題:政治、行政、企業組織、国民による環境保全への具体的な取り組み
■解決策
・政治や行政によるインパクトのある政策立案とリーダーシップ
・環境保全への企業や組織、国民からのリーダーシップによる実行と普及