少数決の原理

2020年5月22日 金曜日

早嶋です。

少数決原理なるものがあります。多数決ではなく少数決です。何かに強烈に強い意思や想いをもつ少数的な集団がたとえ全体の数%であったとしても、全体がその少数に従わざるを得ない状態ができる現象です。

グローバルな会議の場で、ランチの準備を考えていました。会議の参加者にはユダヤ教徒やキリスト教徒など様々な宗教を信仰する参加者がいました。ホストがアタマを悩ませるのは、参加者一人ひとりに料理をカスタマイズすべきか?あるいは大多数の人が食べることができる料理を提供するかです。でも、このようなときは意外にも少数派に従う傾向が暗黙的に強くなります。

例えばユダヤ教徒は戒律が非常に厳しく、コーシャ食品しか食しません。その場合、ホストはすべての食事をコーシャにする選択をするのです。全てをコーシャにすると会場の食べ物のどれを食べてもユダヤ教徒の参加者が困ることはないのです。理由は簡単でコーシャ食品を食べる人はコーシャ認定意外は食べませんが、それ以外の人はコーシャ食品を食べても何ら問題が無いからです。

例えば、そばアレルギーやピーナッツアレルギーを持つ人は、少しでもそのような原材料が含む食べ物があったら絶対に食べないでしょう。しかしアレルギーを持たない人は、そのような材料を含まない食品を食べることができます。そのため、アレルギーを含む食材は、航空機の機内食などでは積極的に使われなくなります。同様に学校の給食などでも基本的に使われなくなるのは同様の理由です。

この原理をうまく活用した戦略にオーガニック食品があります。通常のノーラベルの食品に例えば、農薬や除草剤などが含まれていて、ある一定の割合で人体にとって有害と考える傾向が強い人がいたとします。

一方で、遺伝子組み換え食品を用いて莫大な富を得ようとした組織は、莫大な費用を使ってロビー活動を行い、あからさまな科学的なプロパガンダを行い、遺伝子組み換え食品の安全性を訴えたとします。つまり経済的な力で大打数を抑え込もうとしたのです。しかし結果的にはオーガニック商品が市場を席巻するポジションになっています。

これも少数原理の法則を考えると明快です。遺伝子組み換え食品食品を食べて何も感じない人は、同様にオーガニック食品も食します。しかしその逆は成立しません。オーガニック食品しか食べたくない少数の一派によって、遺伝子組み換え食品は市場に普及しなくなったのです。

車の世界でマニュアルが減りオートマが増加したのも実は少数原理の法則かもしれません。確かにオートマ派便利ですが、いつしか世の中にオートマしか運転出来ないドライバーが数%増え始めると、マニュアルが運転できる人でもオートマの車は運転できることから結果的にマニュアルが淘汰されたかもしれません。

昨日から福岡市内の学校が再開されました。学校はクラスをAとBにわけ分散登校という術で開始されています。教室は、皆マスクをして既にクラスを半分に分けているにも関わらず生徒同士の会話を禁止しており、休み時間にも外で遊びことを禁止する厳重な管理下でのスタートとなりました。

先生たちは非常に努力して再開を目指したと思いますが、やはり一部の過度にウィルスを主張する親たちが、なにかあったらどうするんだ!的なコメントを学校に対しておくっているのです。その結果、常識で考える以上の取組が行われるようになったと推測できます。

もし、全てを禁止して再開するのであれば、給食は廃止すべきです。食べる行為が集団感染の中で高い割合で危険視されているのは現時点でも認められています。しかし何故か給食は再開されました。その背景も、給食をこれ以上止めるとおそらく再開がますます困難になるなどの事情もあるからです。

結果、少数の強烈に主張をする一派の存在によって、大多数のそこまでしなくて良いだろうと思っている人々が新たなルールやしきたりに従わざるを得なくなっている状況が観察できるのです。

だったら学校での授業を全てオンラインに置き換えて、Zoomなどを駆使して自由にオンラインでたくさん話しをして、たくさん議論をできる形で再開したほうがよっぽどストレスが無いと思います。今まで家の中でのびのび遊んでいたのが、学校に行ったとたん、全てが禁止で会話もしてはいけない。休憩時間は過度な先生の監視が続き、トイレ以外は教室も出れないような管理下では、きっと別の病気でココロが参る子供が続出するのでは無いかと思ってしまいました。



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