早嶋です。
週末は、また台風ですね。3連休はどのような予定ですか?早嶋は、情報を仕入れるための読書とセミナーのテキスト作成に充てています。
さて、そんな中、2004年10月号のHBRに興味深い論文を見つけたので紹介します。題して、「新規事業10の心得:社内起業無くして成長なし」です。
新規事業の立ち上げや、コーポレート・ベンチャー、社内起業、社内イノベーション。名前は違いますが、どれも同じような意味合いで、これらに対する研究結果は驚くほど酷似していると言います。しかし、そのような内容を分かりやすく提示している文献が少ない事より、本論文で紹介されています。
その10の心得とは。
1)企業の成長とは新規事業を興すことにほかならない
2)新規事業の大半は失敗に終わる
3)新規事業の成長は文化の壁に阻まれる
4)別組織は長い目で見るとうまくいかない
5)新規事業の立ち上げは本質的に実験である
6)新規事業は3段階を経て発展し段階ごとに異なるアプローチを要する
7)新規事業が定着するには膨大な時間がかかる
8)新規事業は既存事業と調和させる必要がある
9)成功率を高めるには市場や需要を知り尽くした分野に進出することである
10)固定観念を取り除くのは難しい
この中で、特に5)新規事業の立ち上げは本質的に実験である、の項は刺激的な内容です。
『そもそも、ほとんどのベンチャーに複数の選択肢など存在しない。とにかく、当初のコンセプトをかたちにし、試作品をユーザの手元に届け、その反応を見定め、広く受け入れられるまで繰り返し試みるしか道はない。
・・・中略・・・
このような具合だから、完璧主義を標榜し、緻密な計算を好む企業は幻滅を味わうはめになる。ベンチャー事業の場合、製品設計やビジネスモデルを最初から完璧に準備できるケースはほとんどないからだ。データに基づく緻密な計算や定量的な調査に投資すればするほど、事業のリターンは減ってしまう。』
肝に銘じるところが多いですね。