歯科医院に学ぶ本気の経営

2020年1月7日 火曜日

高橋です

毎月この1か月間にお会いした人、会社の中から、私が選ぶ The most impressive Meeting(最も印象に残る出会い)を皆様にご紹介してまいります。

今月のテーマは「歯科医院に学ぶ本気の経営」です。

今回ご紹介するのは、開業して6年目あっという間に地域売上NO.1を達成し、すでに2店舗目を開業された歯科医院です。

この歯科医院の特徴は、医療機関でありながらその辺の企業よりはるかにビジネスリテラシーが高い点だと、私は思います。

まず「ビジネスリテラシー」について説明します。リテラシーとはその分野に関して知識や教養があるという意味です。「ITリテラシーの高い人材を育てる」や「日本人は金融リテラシーが低い」などの使い方をします。
「ビジネスリテラシー」とはビジネスにおける知識や教養という意味です。今回は➀対人スキル②ロジカル思考➂コミュニケーション力に分解し、この歯科医院の特徴をご紹介します。

➀対人スキル
この医院では徹底的な顧客志向を目指し、癒しとおもてなしを理念に掲げ全てにおいて実践しています。理念がお題目で終わっている医院や企業が多い中、この医院ではまさしく徹底しています。まず医院のしつらえ、インテリアが歯科に見えません(笑)カフェと見間違えるほどオシャレな空間と音楽で患者がくつろげるようにしています。また接遇マナーの講師による研修を継続的に導入し、スタッフ一人ひとりがおもてなしの接客を体現しています。歯科に来た気がしない心地よさ、自分が大事にされているなぁと実感できる、スタッフの対人スキルが高くなければできないうれしい体験です。

②ロジカル思考
この医院では、きわめてロジカルにマーケティングを行っています。すなわち商品戦略と顧客管理システム(CRM)の導入です。
商品戦略は他と差別化できる商品(施術)を開発し、いかに顧客に届けるかという戦略です。この医院では他の医院にはない画期的なホワイトニングに強みを持っています。スタッフも自信を持って勧めることができ、患者も満足しリピート率が高いので、医院の売上に貢献しています。そして定期的にキャンペーンを打つことでホワイトニングの顧客数を増やしています。
CRMはキャンペーンのみならず強力なツールになっています。CRMとレセプトコンピューターが連動し、患者一人ひとりの治療内容や履歴、前回来院時期、ホワイトニング購入履歴はもとより、直前キャンセルの履歴やキャンセル連絡の有無まで一覧表示されます。どの患者に、どのようなインフォメーション(キャンペーン情報や定期健診)を、どのタイミングで、どのように(ハガキかメールか電話か)出すか、患者毎に最適化された情報がCRM上に毎日ポップアップされますのでモレがなく、負担は最小限に、その分治療や顧客対応に時間と労力を向けることができるので、効率が良くスタッフの生産性が高いのです。

➂コミュニケーション力
そしてこの医院の特筆すべき点は、スタッフ全員参加のミーティングにあります。私はこのミーティングを見学させていただき本当に驚きました。「ダラダラ時間のムダな会議」「結局何も決まらない会議」などよく聞かれますが、それとは真逆の会議です。スタッフが主体的に取り組み、医院の今後の戦略、課題の発見と解決策の話し合いを進めます。全員が付箋を持ち、短い時間で意見を書き、張り出し、議論し、決定する。「共有→発散→収束→決定」という会議4サイクルがにこやかな雰囲気の中にも真剣に行われる会議を目の当たりにしました。
目指す方向が一つで、チーム一丸となって進む組織だからこそできる会議です。スタッフ間のコミュニケーション力の高さが際立っていました。

院長曰く「このような医院にすぐ成れたわけではない。たくさん失敗もして、人の入れ替わりに悩んだこともあった。でも理念を実現するためにあきらめずに続け、ようやく結果がついてきた」とのことでした。まさに、院長が本気で経営に取り組んだ結果でしょう。

『厳しいプロは、高い目標を掲げ、それを実現することを求める。』 (現代の経営)
『挑戦の大きなものでなく、容易に成功しそうなものを選ぶようでは、大きな成果はあげられない』(経営者の条件) by P・F・ドラッカー

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