原です。
事前準備ができたなら、次は当日の心構えです。
一般顧客モニターでの参加者の方は、人前で意見を言うことに慣れてなく、多くの方が緊張しています。緊張した状態では、言葉数が少なく本音がでませんので、冒頭にはアイスブレイク(緊張で固まった雰囲気を和らげること)が必要です。
いきなり、「皆さん緊張しているようなので、緊張しないようにお願いします!」などストレートになげかける言葉は、かえって参加者が緊張してしまうので使用はNGです。
最初の冒頭説明の中では、「今回の皆さんの発言は個人名が口外されないので安心してください」などの個人情報について安心感を与えることが必要です。
そして、本題に入る前に簡単な自己紹介を全員に話していただきながら少しずつ場を温めていきます。自己紹介後には、拍手をするだけでも笑顔が出るなど効果はあります。
自己紹介だけでは、まだ緊張感が残っている場合は、もう1つぐらい付け足します。例えば、テーマがスイーツの場合は、「皆さんが好きなスイーツを教えてください。どこのカフェや専門店に行きますか」かなどを質問し、モニター参加者から自由に話して頂きます。
慣れたところで、「それでは本題についてお聞きします。」という流れで進めていきます。
アイスブレイクができないままだと、最後まで場が固く終わることがありますので、必ず冒頭には、アイスブレイクをいれましょう。
ただ、あくまでも本題について話し合う場なので、できるだけ短時間で場を温めることが必要です。あまり凝りすぎて時間のかかるアイスブレイクはNGです。
私の場合は、モニター5人のグループインタビュー時間が120分の場合は、10分ぐらいかけて場を温めています。
本題からは、モニターへの傾聴に徹底して取り組みます。モニターの目を見て、大きく頷きながら「ほぉー、へぇー、なるほど」などを連発しながら話していただきます。
そして、気になることについては、「もっと教えて」とお願いし、具体的になるまで掘り下げていきます。
時には本題から外れた話をするモニターがいますので、その時は、「本題から外れましたね。」と教えてあげることも必要です。
司会者は、車のドライブに例えると、リラックス感のある車内の空間づくりと適度なアクセルとブレーキとハンドル技術により、快適なドライブを提供する役目なのです。
ここまでは、司会を数回でも経験すれば誰にでも出来ます。
しかし、「目的、テーマ、地域、年代、対象者の属性など」が違えば、当然に発言の内容も変わります。穏やかなグループインタビューもあれば、激しく議論するグループインタビューもあります。100のテーマがあれば100の異なるモニターが集まり、その時の状況に応じて100のグループインタビューの進め方が司会者には必要となります。私は、今でもこれでOKと安易に満足したことはなく、グループインタビューの楽しさだけでなく、厳しさと奥深さに対して仮説検証を繰り返しながら精度向上に取り組んでいます。
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