不動産価値2)

2007年8月14日 火曜日

早嶋です。

実家の納戸を整理していたら、幼稚園の頃から大学までの思い出の品々が沢山でてきました。文集、作文、絵画、工作、版画、詩、落書帳・・・。中には運動会のブローシャーや修学旅行の感想文、生徒会で行ったスピーチの原稿等と、様々なモノが残っていました。いや、よく捨てずに取っておいてくれたものです。両親に感謝。

さて、昨日の続きで、一部の地域で地価上昇が起きている4つの要因です。

1)海外ブランド店の進出
東京の表参道、銀座、青山がその代表例です。シャネル、カルティエ、ルイヴィトン・・・。スーパーブランドのオンパレードです。これらの出店ラッシュが続き、各ブランドショップは競って一等地を求めます。その結果、銀座の目抜き通りの取引価格は底値の2倍、中にはバブル時価格で取引された物件もあるようです。

買い手にとって、ステータスのあまり収益還元法等の適正価格を度外視した取引が多く見られます。

2)再開発・インフラ整備
この要因は、再開発・インフラ整備が行われることによって、地価が人為的に向上しています。例えば電車の駅、高速道路の出入り口、大規模ビルや複合商業施設などが整備されると、周辺の土地価格は上昇します。利便性の向上による要因です。

東京で言えば丸の内地区や東京ミッドタウンは顕著な土地の上昇を見せています。(港区で対前年比23%、渋谷区で29%)つくばエクスプレスが開通した茨城県んの守谷氏は、対前年比22%と、ここも顕著な上昇率を見せています。

3)不動産投資ブーム
REIT(不動産投資信託)の加熱振りが影響しています。05年3月末に15あった上場REIT数は07年7月には41と急速な拡大を遂げています。この様な投資ファンドは、東京・大阪・名古屋や札幌、福岡でマンションの一棟買いなどのケースも顕著です。預金金利が0%に近い中、首都圏の賃貸ワンルームマンションの利回りは5%程度、都心では10%を超える物件もでています。1棟丸ごと所有することで権利調整や、将来の売却や建替えが簡単とあって、投資ファンドの積極的な買収も、土地価格の上昇の要因になっています。

現在、REITの平均利回りは3%程度。不動産関連商品のリスクを考えれば低い利回りだと思いますが、それでも銀行の金利と比較すると圧倒的に高い。と言う事でREITには資金が流れやすくなり、余剰資金がREITの金利を求めて、不動産価格の高騰を引き起こしているのでしょう。

4)マンションブーム
REITと関連しますが、マンションブームも一つの要因です。大企業のリストラクチャリングの一環で都心に土地が出てきたことや低金利を背景にマンションブームが起こりました。94年頃より首都圏では年間6万~9万戸のマンションが供給され続けるといいます。

2000年前後頃は金融機関の担保物件の現金化、企業リストラによる社員寮や保養所の放出など、まとまった土地が市場に出回りましたが、この様なリストラ物件が一段落した今、新たな入札物件には大手のマンションディベロッパーが躍起になって用地獲得に乗り出すために、土地の価格が上昇する背景があります。

と言った要因がありますが、このような要因もこお10年程度で消え、今の地域限定の土地の上昇も終焉を向かえ、再び値下がりに転じると思います。



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