日本のお米中国に

2007年7月27日 金曜日

早嶋です。

昨日、中国で4年ぶりに日本米の販売が再開されたと報道がありました。日本米のターゲットは上海と北京の富裕層。日本の農林水産省も中国の富裕層を金のなる木と考えているのでしょう。今後の目論見として現在、規制が制限されているブランド牛や高級果物も中国に輸出したいと考えてたいとコメントがありました。

今回、販売される米は、新潟産のコシヒカリ、宮城産のひとめぼれの各12トンです。販売チャネルは、上海と北京の高級百貨店及び外国人向けスーパーの店頭です。価格は、一袋2キロ入りでそれぞれ、198元(約3200円)、188元(約3000円)です。日本の市場より3倍程度高い理由は、関税や流通にかかるコストが乗っているためです。

因みに、上海の日本食材を扱うスーパーでは、中国産コシヒカリが5キロ当たり62元、中国産あきたこまちが47元で売られています(上海の友人に調査してもらいました)。こちらの米と比較しても価格差で10倍程度。上海の大型スーパーで販売されている通常の中国米は、キロ当たり3元程度なので、一般的に中国に流通してる米の30倍程度も高い価格になります。

報道では、26日に日本から農林水産省関係者が訪中して上海と北京の百貨店で販売開始のセレモニーを開催し、大々的な販売促進活動を行っているとありました。そして、驚くなかれ、今回の販促に農林水産省が投入している宣伝費はなんと5000万円。

今回販売される米は各12トンですので、1袋2キロと換算して、それぞれで6000セット。全て販売しても、約3720万円(6000×3000円+6000×3200円)。農林水産省のコメントでは、当面は中国の富裕層や邦人駐在員などをターゲットに市場拡大を図るとしています。

念のため、上海で働いている日本の友達に聞いてみたけど、「そんな高い米、誰が買うの?現地の駐在員は買わないよね。」でした。コシヒカリは日本では2キロで1000円くらいです。これが、特別な米だからといって、富裕層の皆さんは3万円を払って購入しますか?

因みに、05年度で日本のコメ輸出は600トン程度、その内台湾に400トン強。中国では販促次第で大きな市場になりそうだって考えているようですが、600トン全て裁いても、9億円。今回の日本米は、国産農林水産物の輸出1兆円の実現の第一歩だとしていますが、全体のプランをどのように考えているのでしょね。



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