早嶋です。
企業に努めている方と今後のAI化、自動化、機械化(以下、まとめて機械化とする)の話をすると多くが否定的です。理由は、自分の仕事をアービトラージされるからです。一方で、上記の動向は確実に日本の人手不足を解消して生産性を上げる取り組みに繋がります。当然に、そのことも理解があるのですが、やはり不安に思う方が多いです。
ここで機械化に対して2つの見方があると思います。1つは自分たちの仕事を奪ってしまう。という否定的な見方。もう1つは自分たちの仕事をサポートする。という肯定的な見方です。多くの現場では、本来人手をかけたい、時間を費やしたい作業が全くできていません。そこで、機械化することでそこに費やしていた人手を本来行いたい業務に振り分けることができます。
合理的に考えると、機械の投資によって少ないコストで同等、或いはそれを遥かに凌ぐ仕事のアウトプットが生むわけですから企業は利益率が向上します。そして、今のように人材確保が難しい企業は人を放出することはしません。また、日本は極めて人材の流動性に対して国の方針と個人の考え方という両面から乏しい側面があります。ひとが余ったからといい首を切ることもできず、時間が余ったからといって自ら辞めることもしないでしょう。
結果、機械化への移行時期は、良くない空気が流れると思いますが、徐々に余裕が生まれ始めます。機械が仕事を奪うのではなく、仕事のサポートをして、従業員はより楽により高いレベル、或いは短い時間で従来の成果を生むことができるようになります。そうすると余裕が生まれるのです。
多くの伝統的な企業は既存の事業でしのぎを削り、新しい取り組みをしたくても、能力と同時にその時間がありません。しかし機械化によって余った人材の時間に余裕が生まれます。新しい取り組みは、切羽詰まった状況か、何かに楽しみながら取り組む状況かのどちらかからしか生まれません。既存の事業は効率を求めますが、新規開発は無駄の塊でもあります。
機械化を進めずに既存の事業でしのぎを削ろうとするとやはり人手に付加をかけ続けなければなりません。機械化は確かに人の仕事を一時的には奪うでしょうが、その結果、人に余裕が生まれ、本来人間が得意な仕事や成果を産み出す取り組みに時間を費やすことができるのです。
従い、我々人間の今後の方向性は、機械が楽にできる定形、繰り返し、単純作業の取り組みを辞め、構想、想像、全体、統合などの方向性に脳みそを使うようにマインドと思考を修正していくことがカギになるのです。