ビジネスと美意識

2018年11月5日 月曜日

原です。

成熟化していくこれからの時代、精神的な充実を求める声が一段と強まり、物質主義は後退するでしょう。

私は、今年の4月に地元が山崩れ災害に遇い、幼馴染や知人を失いました。お盆の3日間に心の安らぎを目的に夏の風物詩「風鈴」を飾る企画を実施しました。
おかげさまで、複数の新聞社からの取材依頼もあり、「鎮魂の風鈴」という内容で記事掲載を頂きました。更に、多くの方から災害に対する支援金や応援のメッセージを頂きました。

風鈴は、情緒ある夏の風物詩として知られていますが、現在のマンションなど都会で暮らす人が増え、風鈴を屋根の軒下に飾る風景は田舎のごく一部となっています。同時に、風鈴を購入する人も減り、風鈴職人や専門店が大幅に減少している状況です。
しかし、風鈴の音による涼しさへの連想という機能性だけでなく、「鎮魂の風鈴」、「お守り風鈴」、「魔除け風鈴」などの思いを込めれば共感力は高まり、夏以外でも購入者が増えるのではないかと考えます。
このように、機能性だけでなくデザイン性、更には思いを込めたストーリー性を追加することで、物や企画への共感力や価値は高まります。

ビジネスでは論理的に立案された経営戦略も必要ですが、企業のミッションやビジョン、商品などのコンセプトを知ることで、自分も企画に参加したい・商品を購入したいと思わせるような「真・善・美」がなければ、顧客の心を動かすことはできません。

人に共感してもらうには、自分も共感力を高めることが必要です。
共感力には、ストーリーや世界観が必要です。
機能性の差別化は、いつかは真似されるかもしれませんが、ストーリーや世界観は真似されない、その企業や人にしかない「強み」になります。
この強みを論理的に立案された戦略に追加することがブランドになるのではないでしょうか。

私は、以前、狂言を習うなど日本文化や伝統の美に興味は持っていましたが、この風鈴プロジェクトをきっかけに、再び、美意識にスイッチが入った気がします。
最近、私は日本庭園に興味を持ち、書籍を読み現物を見学し、実際に素人ながら庭園づくりに取り組んでいます。
目的は、美意識を鍛えることです。美的センスが向上しているかどうかは分かりませんが、美に対する意識は高まっていると実感しています。

私を含め誰もがアーティストになることは難しいでしょうが、常日頃、芸術作品や文学などを見たりするなどアートにふれるだけでも美意識は誰でも高まります。

美意識を鍛える習慣を実践していきましょう。



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