早嶋です。
立場と役割が人を変える。毎年、この時期に戦略会議という合宿をする企業A社があります。A企業の経営を一緒に議論させて頂いているなか、A社の主力事業をB社として分社しました。そしてA社の専務は、B社の代表者に就任。
戦略会議を初めて数年立ちます。今回の合宿はB社の今後について、これまで議論していた内容を社内の主力メンバに共有させ、不足する部分の議論を詰めることが目的です。これまでもA社の専務(B社の社長)も合宿に参加していましたが、今回は人が全く変わりました。トップとしてのリーダーシップや部下を配慮する気持ちと焦り。将来に対しての不安と期待が見て取れるようにわかります。そして、それらのギャプを埋めるために本気で議論を回しています。
私も、弊社株式会社ビズ・ナビ&カンパニーを共同で設立しました。当時は、3人ではじめ、パートナーの長田が代表でした。そのときは、取締役という肩書ながらも、実際は経営のことをあまり考えることなく、自分たちが実現したいアイデアを形にして顧客に届けることに集中するばかり。将来の種を仕込むことや、不足する能力を今から補うこと、将来に備えて不足するかもしれない資金の目処を付けておくことなど、今見えない部分に対しての取り組みを今行うことが経営者。が、そのようなことはどこか代表がやってくれるだろうと思い、行動することはあっても、取り組みレベルと気持ちが圧倒的に低かったことを思い出します。
実際、本の知識ではなく、経験として社の代表が行うべき仕事を実感したのは、長田が代表をおり、その後を継いだときからでした。役割としては取締役として同じように考えるべきなのですが、小さい会社。代表が色々とやってくれるという思いがどこかにあったのです。役割と立場を人が変える。そして人を育てる。
マネジメントのトレーニングをしている際も強く感じることがありました。マネジメントに就任した時頃から、あえてワークショップや合宿を行うことで本来の役割と考えている取り組みや行動に圧倒的にギャップがあることを考えて、気づいていただきます。いちスタッフではなく、トップのビジョンと戦略に対して、部下を導き、育てていく仕事です。単なるプレーヤーとして数字を作るのではないのです。昨日まではスタッフ。でも今日からマネジメント。肩書が変わるとやはり人の考え方や立ち振舞、そして言動も変わっていくのです。