売上高と設備投資の連動離れ

2018年5月14日 月曜日

早嶋です。

1980年代の戦略は試算を拡大して売上を最大化する取り組みが主でした。景気も良く、経済も伸びていたので、投資をするとその分のリターンがかえってきた。皆が同じ方向性を向いていたので、大きな投資も行いやすかったなどの背景があります。一方、昨今は状況がことなります。売上が伸びている企業の特徴の1つに持たないでも収益を伸ばしているのす。

背景は、情報化と流通の進化があります。これまでは、モノと情報の流れに制約があったため、全てのバリューチェーンを自前で持つことが正でした。しかし、今は組織や企業間、場合によっては業界を超えても、そのやり取りが自由に出来るようになりました。その為、成績を伸ばすために自前で持たなくても、コアの部分のみにフォーカスして他は変動費で対応することが可能になったのです。

加えて、情報がオープンになると、競合や異業種を含めて、ゼロベースでの成長ではなく、資本戦略における成長も自由に絵がかけるようになりました。結果、設備などのハードに投資をする動きから、売上そのもの、ノウハウそのもの、人材そのものを取得する目的のM&Aも自由に行えるようになりました。

経済産業省が調べるデータに次のようなモノがあります。2002年を100として売上と設備投資額を数値化した統計です。これまでは相関関係があたりまえだったのが、徐々にその関係が薄れているというのです。特にその動きが顕著な業界が電機業界です。やはり自社での生産を全て抱え込むことから、他の企業に委託する手法がメジャーになりはじめていることを物語ります。

一方で、このような見解もあります。これまでアジアの人件費は安価であったが、2015年前後を境に急激上昇して圧迫している。と。従って、そこに対して機械投資となるのですが、既に持っている企業の空き状況を把握できるようになり、一部は投資をするが、多くを外注でも対応できる仕組みを作っているのです。



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