早嶋です。
企業はGoing concern(将来にわたって、無期限に事業を継続し、廃業や財産整理などをしないことを前提とする考え方)であるという考え方から、投資をしなければ企業価値を高めることは出来ません。
企業が行うファイナンス活動を3つにまとめると、1)資金調達、2)投資判断、3)配当政策となるでしょう。その中でも2)の投資判断は、先にも記述したとおり、現在の投資が企業の将来を左右するといっても過言ではないくらい、重要な判断です。しかし、実際の投資判断の方法は、殆どが回収期間法という考え方に基づいています。本日は、投資判断の決定プロセスについてコメントします。
投資判断の決定プロセスは、大きく次のような流れになります。
1)プロジェクトから生み出されるキャッシュフロー(CF)を予測する。
2)予測したCFの現在価値を計算する。
3)投資判断のための指標を計算する。
4)採用基準と比較して、投資の判断を行う。
代表的な投資判断にNPV法があります。この考え方は、「プロジェクトが将来生み出すであろうフリーキャッシュフロー(FCF)を購入する」ニュアンスです。つまり、判断基準としては、将来のFCFの現在価値よりも低い価格で購入することが出来れば投資する(良いお買い物が出来た!)というルールです。
ファイナンスでは、上記の考えを次のようにおこないます。
次のAとBを計算します。
A:あるプロジェクトが将来生み出すCFの現在価値
B:そのプロジェクトに必要な投資額の現在価値
A>Bであれば、投資OKとなります。
NPV=A-Bとなり、NPV>0となれば、投資を実行するべきという判断が行えるのです。考え方は非常にシンプルですが、多くの企業でプロジェクトのNPVを計算せずに投資の判断が行われているのが現状です。
次回は、多くの企業で行われている回収期間法を考えて、NPVと比較した時の問題点を考えたいと思います。
なお、現在価値等について疑問を持たれた方は、過去のブログで現在価値、個人の賞味価値を参照下さい。
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