ネットコミとキャズム

2007年6月8日 金曜日

早嶋です。

昨日のブログに、ネット込みは普及理論で説明すると当てはまりやすい、と言う内容をコメントしました。

しかし、実際に影響力のあるアルファブロガーやBリストブロガーが騒いだところで一般人にまで普及するのか?という疑問が残ると思います。これについてはキャズム(ジェフリー・ムーア著)が参考になります。

キャズムは大きな溝と言う意味で、テクノロジー等の普及において、アーリーアダプターとアーリーマジョリティーとの間には容易に超えられない溝(キャズム)が存在する、そして、これを超えない限りどのような素晴らしい商品であってもブレイクしないというものです。

普及理論でも紹介しましたが、アーリーアダプターは変革のための手段を求めるのに対して、アーリーマジョリティは変革ではなく進化を求めると言われます。つまり、アーリーマジョリティは、アーリーアアダプターの様子を伺いながら反応を示す層になるのです。

つまり、アーリーアダプターに導入してもらうためには、先行事例と手厚いサポートなしには、なかなか難しいのです。キャズムでは、そのための策として、普及理論で重要視されているアーリーアダプターに対するマーケティングだけでなく、キャズムを超えたアーリーマジョリティに対してのマーケティングも必要だと主張しています。

では、ネット込みでは、どのようにこのキャズムを飛び越すことが出来るのでしょう?Webキャンペーンのしかけ方。 広告のプロたちがつくる“つぎのネット広告”では、この事を電車男の事例を用いて紹介しています。

結論は、マスメディアを組み込むこと。

2チャンネルにあった電車男の話をまとめた『まとめサイト』が登場したのは04年の5月-6月頃です。そしてこのサイトを広めたのは2チャンネルではなく、ブロガーでした。しかし、ここまでの段階では未だキャズムを超えていません。

それが、そのうち電車男が雑誌に取り上げられ、出版社が書籍として刊行する準備を始めたのです。店頭に並び、ベストセラーになる頃には、ご存知の通り、映画、テレビドラマ、漫画となり、ある種の社会現象にまで発展したのは記憶に新しいところでしょう。まさに、ブロガーが広め、マスメディアによってキャズムを超えたのです。

ネット込みの普及に火をつけるのは、メディアですが、その手前の準備をするブロガーの存在がなければキャズムを超える以前の話です。その点でブロガー、特にアルファブロガーは雑誌やニュースサイトと同様に重要な媒体と考えた方がよさそうですね。

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