アートとデザイン

2017年11月24日 金曜日

早嶋です。

アートとデザインの違いはなんだろうか。

何の制約条件もなく、ただ自分が追い求める表現を追求した結果がアートだろうか。一方でデザインは何らかの制約条件があると思う。それが金銭的なものもあれば時間的な制約かもしれない。デザインは機能を追求した結果生まれてくるものだろう。すると、感情や感覚を徹底的に表現した結果がアートなのだろうか。

アートは見る人によって得られる情報が異なるかもしれない。しかし、本質を理解している人がそのアートを見ると作者の意図を端的に汲み取るかもしれない。アートは作品自体が表現であり全てを語っている。従ってアーティストはわざわざその作品の価値や背景を語らないのかもしれない。何らかの追求が視覚化され、時には構造化された結果がアートなのだ。

しかし、一般大衆にはその意味を汲み取る知識や背景が無いため、時に理解することが難しい。単なる紙切れとして見られることもあったかもしれない。そのために世の中にはその本質を表現し言語化する役割を持つ人が重要になる。中には自分で一般大衆がわかる言語レベルに置き換えて表現できる高いコミュニケーション能力を持つ人もいるだろうが全体の母数からすると誤差レベルだと思う。

アートの解釈を作者と同じレベルで言語化するには、作者の頭の中を覗く必要がある。テレパシーなど無い我々は、それに対して対話を通じて行うことができる。しかし、既に逝った人の作品は直に聞き取ることができないので、その人の生きざまを研究して本質をつかむ取り組みが行われる。

対話を行う中で、アーティストの本質を引き出す高いコミュニケーション能力も求められる。頭の中の抽象的なイメージを言葉に落とす作業は適切な質問と傾聴が求められる。そしてそれらを適切な表現で活字に落としていく作業は結構大変な過程を踏む。

これらを一人で出来る人もいれば分業で行う場合もある。しかし、徐々に大衆に理解されていくと、その本質が一般に理解される価値として解釈されるのかもしれない。するとそれはデザインの要素に取り入れられるようになり、我々が一般的に無意識に活用する道具になるのかもしれない。



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