早嶋です。
神戸製鋼の報道は、もはや呆れた感じすらしますね。数年前から各組織でさも当たり前のような不正。おそらく実際に作業をしている当人にはその感覚さえももうなかったのではないでしょうか。
先の日経で、神戸製鋼が不正でアルミや銅製部材などを出荷した企業の9割で安全性が確認されたとの報道がありました。しかし、それによって調達先を変更するかといえば、実際代替生産できるメーカーは限られており急の変更は不可能でしょう。
神戸製鋼のサイトから見てみると、アルミと銅事業は栃木県の真岡でアルミニウム板、条、円板を生産。山口県の長府ではアルミ押出、加工品、銅板の生産。三重県の大安の3工場です。
そして同社の各製品に対してのシェアは概ねトップシェアです。アルミパネル材は50%のシェア、自動車用サスペンションも50%のシェア。アルミ押出、加工品は不明ですがトップシェア。他にアルミディスク材も60%のシェア、そして我々が飲んでいる飲料用アルミ板は30%のシェアとほぼ関連素材は首位にポジションしています。
こうなると、たしかに他社に変えようとしても、無理でしょう。世の中のサプライチェーンが情報化によって管理されると、適切な量をきっちり調整して生産するようになります。トップシェアの生産が不適切だからといって2位や3位の企業が生産量を増やして、顧客に提供することが容易に出来ません。仮に、生産出来たとしても、納入先の品質検査や検証にかなりの時間がかかります。ということで、法どいうされているように、部材供給を受けているメーカーとしてもかなり重大な事件だと思います。