早嶋です。
ここ十数年で、オフィスにならなくてはならない存在となったPCですが、近年は情報セキュリティ等の問題で、見直しが始まっています。企業にとってPCはとても便利な反面、その機能が企業にリスクをもたらすのです。
例えば、近年騒がせたWinny関連のウィルス。企業のシステム管理者がネットワーク管理を万全に行ったとしても、セキュリティーに対して意識が低いユーザが1人でもいれば、そこが穴(セキュリティー・ホール)となって情報が漏洩してしまうことがよく起こっています。
そこで、従来のPCに変って企業の注目を集めているのが「シンクライアント」です。これは、PCと同じ形をしていますが、その機能はネットワークに接続できるだけの最小限の機能しかもっていません。
これまで、PC上で行っていたアプリケーションは、全て向こう側のサーバーで一極集中するという考え方です。つまり、これまで行っていた、クライアント毎のセキュリティー管理やソフトのバージョン管理を行う必要も無くなります。サーバー側で全て一極集中して管理することによって、意識の低いユーザによる事故も事前に防げると言うコンセプトです。
シンクライアントは、何だか、「新クライアント」見たいですが(実際は薄いと言う意味のシン:反意語としてファットクライアント)、このようなコンセプトの端末は96年にオラクル社が提唱したネットワークコンピュータが元祖だとされています。当時、そのコンセプトが流行らなかった理由は、ネットワークの貧弱さだったと思います。ネットワーク上にアプリケーションを置いたところで、実用に絶えられるアプリケーションが存在しなかったのです。
日経ビジネスソリューションズによると、06年での国内企業におけるシンクライアントの導入企業比率は5%でしたが、08年頃には30%を超えると予測されています。
シンクライアントの特徴は、1)セキュリティの向上、2)ソフトの集中管理、3)運用コストの削減、4)端末コストが安価などとありますが、良い面だけではありません。従来からのPCと比較すると、当然、利用できるソフトや周辺機器が限られるため、既存の業務システムからの移項がまだまだ難しいと言ったことも考えられるでしょう。
シンクライアント、次世代のオフィスには、当たり前になっているかも知れませんね。
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