バフェットIBMの保有株を売却

2017年5月8日 月曜日

早嶋です。

米国の投資家、ウォーレン・バフェット氏がIBMの保有株の3割り程度を売却しました(2017年5月8日付け日経新聞参照)。

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「6年前と同じようにIBMを評価できず、やや下向きに再評価した」。バフェット氏は4日夜、米経済番組「CNBC」で保有するIBM株のうち、2400万~2500万株を手放したと明らかにした。5日時点の株価で計算すると4000億円を超える規模だ。
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IBMといえば、先日、ワトソン関連の売上高が約1兆円に達し、顧客の業務改善やコンサルツールとして米国のGMやイオンなどが活用しているというニュースがありました。世界の主要な医療機関も腫瘍の診断にワトソンを活用するなど、その分野での活躍は流石です。しかし、バフェットが売却となると、将来的な伸びに対してクエスチョンマークを出したのでしょう。

IBMの直近5年の業績を調べました。2012年の売上高が1,000億ドルで純利益は約160億ドル。それから売上は徐々に減少して2016年の売上高は900億ドル、純利益も120億ドルと減収減益となっています。

2016年12月期の事業の内訳をみると、確かにワトソン等の事業であるコグニティブは182億ドルの売上で粗利が約82%と驚異的です。しかし、インフラ系のテクノロジークラウド、コンサルティング系のグローバル・ビジネス、そしてシステムハードウェア等のシステムは決して絶好調ではありません。

バフェット氏の投資会社のパークシャーハザウェイは2011年7月から9月期にIBM株を購入し、その後買い増しを続け2016年12月末時点でIBM株の8.65%を保有していました。5年間、じっくりとIBMの長期的な伸びを信じていたのでしょう。

が、ITの進化で低価格でクラウドを活用できるサービスをアマゾンが牽引することで、IBMのテクノロジークラウドやグローバル・ビジネス等のビジネスが伸び悩んだとみたのでしょう。一方で、同社が参加に収めた企業の業績で保健事業の1月から3月期の業績が不振だったこともIBM株を手放した理由もひょっとしてあるかも知れないです。

バフェット氏の声明を調べてみると、確かに同社の株主総会でIBMの投資に対してネガティブな発言があり、アマゾンの経営を評価するコメントがありました。当初、バフェット氏は自分にとって明るくない領域には投資しないというのがポリシーでした。しかし、当時ITに関連する業界への投資がIBMで、そのインパクトは覚えています。しかし、ソリューションという領域のビジネスに対しては、なるほど、得意分野外という世界だったのかと理解しました。

一方で、バフェット氏はアップルに対しての株式を今年になって大幅に買いましています。テクノロジー企業としての評価はもちろんのこと、これだけの普及を生んだ結果、コカコーラと同様に消費者向けの企業として捉えたのでしょう。このアナロジーも流石だと思います。



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