思いつきと渋滞

2017年4月27日 木曜日

早嶋です。

上司から、「この資料を整理してまとめといて」と。部下は、思いつくままこの資料をこの手法で整理しようとやる気満々で工数をかけて3日後提出する。上司から、「よくできているね、でも社内会議用なのでこれだけで良かったのに」と、一言。なんだか虚しさを感じる。

誰にでも、似たような経験をしたことがあると思います。我々は何かを指示されたり、考える際に先ずは思いつくという習性があると思います。そして、それが思いつきがどうかを意識すること無く、無意識に掘り下げて、そして行動に移しています。

上記の場合、上司の指示に対して、資料の完成イメージの一部や大枠を思いつき、無意識に掘り下げました。そして実際に作業をしながら、更に、そのイメージを基に資料を整理していきます。しかし、これは非常に効率が悪いですよね。何故ならば、その思いつきが当たっていることは、この場合上司の期待と一致している可能性は、極めて少ないからです。

では、どのような打ち手があるでしょうか。実際は案外と単純で簡単です。相手の目的や相手のゴールイメージを共有すれば良いのです。もし聞きにくい上司だったら、「この資料の目的はこれこれで、こんな整理の仕方で良いですか?」と。或いは、一度指示を受けて5分程度で、目的と大枠の完成イメージを整理して上司に確認すれば、その時点で上司の目的やゴールを確認することができます。後は、提出期限とにらめっこして計画通り進めると良いのです。

何かに対して思いつきで進めていると意識する。そのために常に目的を考える。作業や行動を行う場合は、どの程度行う必要があるか?を常に把握して、その分量の行動や作成をすることで無駄を排除できる可能性が高まります。

来週はGW。恒例の渋滞予測が発表されています。トンネルの入口やちょっとしたカーブや上り坂。渋滞は自然に発生します。運転手は、そのような地形の変更に対して無意識に対応します。車のスピードが少しだけ遅れると、後続車の反応の連鎖がはじまります。車間が詰まっていれば次々とブレーキの連鎖が発生します。結果、10台くらい後の車は完全に停止するまで速度が落ちます。渋滞の数珠が長くなっていくのです。

渋滞を極力発生させないために、車間をつめるのではなく、車間をあけることが重要と言われています。40メートル前後が目安となり、上記のような現象に対してのブレーキの連鎖が発生し易くなるそうです。車間は事故だけでなく、渋滞を緩和にもつながるのです。

しかし、上司の指示に思いつきで反応するのと同じ。なんとなく車間をつめたほうが、少しでも早く進むと思いがち。結局は近視眼的になり効率を悪くしているのです。

まぁ、当たり前過ぎて、そうか。と流す程度のことですが、そのちょっとした意識を徹底して目的を考える人とそうでない人では、おそらく生産性は全く異なるのだろうと思います。



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