早嶋です。
シャープについて。M&Aの交渉において鴻海が出資額1千億円規模の引き下げを求めています。皆この記事を見てなんとなく台湾の会社ってせこいなーと思うでしょうが、シャープの進め方に問題があると私は思います。
シャープの思惑としては3月決算に向けて兎に角キャッシュを入れたいという意志があるのでしょう。推測になりますが、このままいけば債務超過になるのではと考えます。そのために時間的な余裕が無い。そこで本来は開示しなければならない偶発債務等々の諸条件を意図的に隠していたのかもしれません。
鴻海としては時間的制限はありません。従って、偶発債務などを調べるにつれ、額が大きくなったのでメインバンクのみずほ銀行などにも問い合わせをしている。もし何かあった場合の管理負担を銀行側は行うのか?等などです。当然、みずほにも管理責任があるのですから、そのあたりの交渉に時間を要しているのだと思います。
M&Aの交渉において基本合意、最終譲渡契約書と進む中で後から何かが出てきた場合は基本は売手の交渉力は極めて不利になります。言うなれば後出しジャンケンですから、むしろシャープのやり方は極めてせこい。基本、状況は悪いのですから筒抜けに現状を示した上で交渉をすべき。買収側もそれを前程に交渉をすすめるのですからね。
皆が書いているようにもはや経営層は全然シャープじゃない。むしろ鴻海のやり方が正当で当たり前なのです。