繋がりのイノベーション

2016年2月29日 月曜日

原です。

イノベーション・モデルのパターンの中に、顧客エンゲージメント・イノベーションがあります。簡単に言えば、「心をつかむ交流をどのようにして促進するか」です。
つまり、顧客の心の奥深くにある願望を理解し、その理解を踏まえて顧客との間に意味のある繋がりを築くことです。

 購入型クラウドファンディングは成長市場で、2016年末には、33億円規模になると予測されています。購入型クラウドファンディングの特色に、リターン(お返し)というルールがあります。このリターンは、繋がりを築くための成功の鍵であると実感しています。

具体例では、ある1人の男が、「お酒の飲めるマンガサロン」を開店したいというプロジェクトを考えました。その想いの理由は、「自分はマンガが好きだ。できればお酒を飲みながらマンガ好き同士で語り合いたい。語り合える場を創りたい。」でした。しかし、その想いを実現するためにはお金が必要。その資金調達手段としてクラウドファンディングを活用して目標金額を集めることに成功しました。

そして、支援金をして頂いた支援者の皆さんへのリターンの内容は、マンガサロンへの招待券など、支援者がマンガサロンに来て楽しい時間を過ごせる時間と場の提供を準備したのです。支援者の皆さんにとってのメリットは、このマンガサロンで楽しい時間を過ごせるという参加権を得ることです。一方、プロジェクト起案者のメリットは、資金調達による想いの実現です。

さらに、資金調達だけでなく、ファンづくりにも繋がりました。マンガサロンを創りたいという想いとマンガサロンで楽しい時間を過ごしたいという顧客との間に共感という繋がりを築くことに成功したのです。

「心を掴む交流をどのようにして促進するか」イノベーションへの大切な問いです。



コメント / トラックバック2件

  1. yosimotoseiki より:

    終活と称して高齢者相手に葬儀のレクチュアをしたり、遺産相続に関して保険屋さんがセミナーをするという形式がまかり通っていますが、葬儀を発注するのは遺族であり、相続の問題も家族が関与するケースが多いのに、当事者を説得すればビジネスになると考える業界が多いようです。葬儀にしても遺産相続にしても当事者と家族とを繋ぎあう、愛情を示し合わせる、そんなサポートが出来れば家族は黙って、その会社に仕事を依頼することでしょう。交流や帰属感を養う営業手法の根本が未だ理解されていない感じです。こんなことをやっていたら今回、NHKから取材が入ることになりました。http://tomokatsu.jimdo.com/ 原さんの仰る繋がりのイノベーションの一端かもしれません。

  2. 匿名 より:

    繋がりのイノベーションへのコメントありがとうございます。交流や帰属感を養う営業手法が組織内に浸透すれば、その会社のブランド価値は高まりますよね。NHKからの取材!凄いですね!!是非、これからも繋がりのイノベーションに取り組まれて頂きたいです。原

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