早嶋です。
4つの経済空間で紹介した新大陸のキーワード、実体経済、ボーダレス経済、サイバー経済、そしてマルチプル経済。
前回のブログでも紹介しましたが、上記の新しい経済空間を記す年号に、ビル・ゲイツ氏がマイクロソフトを創立した1985年を基準とした考え方があります。いわば85年がゲイツ元年に当たり、それ以降がAG(アフターゲイツ)にあたります(現在は、AG22年)
AG以降の世界経済は、インターネットの影響によってドックイヤーという言葉が使われています。犬は人間に対して7倍のスピードをとることを例えているのですが、世の中のスピードが今や、2ヶ月3ヶ月でどんどん塗り替えられていることを象徴した言葉です。
例えば、2001年10月。ポラロイドカメラは、チャプター・イレブン(連邦破産法第11条:日本でいう会社更生法)による再建を申請しました。ポラロイドカメラは、経営が上手くいかなかったわけでもなく、競合他社に引けをとられたわけでもなく、申請をしています。実際、流通も販売もグローバル展開しており、80年代初めにデジタルう写真事業への投資をいち早く始めていました。
それを突然、破産にまで追い込んだのはデジタル写真事業における当社の誤算でした。デジタル写真事業をカメラの延長上のモノとして位置つけるのではなく、パソコンのIO機器や携帯の一部として位置つけるべきだったのです。
これは、フィルム業界にも影響を与えています。05年5月には、イーストマン・コダック、富士フィルムと並び、世界3大ブランドであったドイツのアグファ・フォトが破産宣告を行っています。この場合も、デジタルカメラの台頭が関係しています。
但し、デジタルカメラの普及を広めるきっかけになったのが携帯電話である事は、2000年当時、だれも予測する事が出来なかったことです。
04年2月のタワーレコード倒産も、アップルのi-podとiTune Music Storeの登場がきっかけです。iTune Music Storeの出現によって、タワーレコードの株価が大暴落しました。世の中が、インターネットを通じて世界中の音楽を自由に買うことができる世界を予見したからです。事実、iTune Music Storeでは、聞きたい曲だけを1曲、99セントで購入することが出来ます。
iTune Music Storeを運営しているアップルは、i-podのから、1人がちのように感じますが、アップルもいち早く、世の中の変化を汲み取って携帯事業に本格参入しています。世の中のインターネットのプラットフォームが既に、パソコンから携帯電話に移項する事を企業として感じ取っているからだと思います。
AG以降、ドックイヤーとしてのスピードについていけない繁栄している大企業といえども、企業の突然死が目の前にあるのですね。
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