日本の台所事情

2016年2月16日 火曜日

早嶋です。

現在、日本の借金は1000兆円あります(参照1)。これに対して、債務償還費や利払費用が毎年24兆円かかっています。国の年間予算の24%が借金の返済等に当てているのです。

参照1日本の借金:
http://www.takarabe-hrj.co.jp/clockabout.html

日本の予算は毎年凡そ100兆円で所得税が16兆円、法人税が11兆円、消費税が17兆円で合計55兆円です。残りは他の税収と借金で凡そ40兆円を毎年借金しています(参照2)。

参照2日本の国家予算:
http://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/201509/201509_1.pdf

これ普通に考えて返せないですよね。年収550万円の家が毎年借金返済を240万円行っている。生活は年収1000万円ですが、苦しいので借金を毎年更に400万円行っている。そして既に借金は1億ある状態です。

今後日本の経済は母体となる子どもや労働人口は減少します。従って、企業の勢いは強くならないので法人税、所得税は伸びることは難しい。当然、経済が弱くなれば消費税も増税しなければ伸びません。

つまり私達の若い世代を踏まえて、次の世代になっても借金は返せないでしょう。なのに、日本の国債は、海外からの買いが集まっています。理由は、少なくとも海外の投資家からすると日本の国債は日本人が保有している安全資産と考えているからです。実際は、個人が銀行に資産を預け、銀行は国債を買って運用しているわけですが、外国人投資家はその実情は見えていないのです。

国が言っているプライマリーバランスをゼロにするためには、3つの手法しかありません。

ひとつ目は、国の国家予算を100兆円から60兆円にすることです。するとこれ以上借金は増えなくなります。が、1000兆円の借金があるかぎり60兆円の予算のうち上述のように24兆円を返済等に充てる必要があるから36兆円が真水の予算です。実質不可能ですね。

ふたつ目は、国の収入を60兆円から100兆円に増やすのです。仮に増やすとしたら消費税以外の税収は考えにくいですね。1%上げると2.5兆円の税収増という試算をベースに、税率が高くなってもその条件は変わらないとしても40兆円の増加は16%アップになります。つまり8+16=24%の消費税を取らなければならない計算です。このくらいの消費税をとっている他の国はいくつかありますが、10%でグダグダ言っている現状を見るとやはり難しいですよね。

3つめは、借金をチャラにして毎年支払っている24兆円をなかったことにすることです。すると国の収入60兆円に対して支出が75兆円ですので、1つ目と2つ目のオプションを組み合わせれば現実的なラインになるという考え方です。

この場合は、日本人の個人金融資産の一部を充ててチャラにするということが考えられます。現在1700兆円の個人資産があり、その半分は現預金です(参照3)。資料を見れば、ここ2000年当時で1400兆円だった個人の金融資産が2015年当時で1700兆円になっていることがわかります。若い人はお金が無いと言っていますが、日本全体をマクロで見ると個人ではお金を持っているのです。

現在日本人の平均年齢は80歳以上。と考えるとバブルの終了の1990年頃から当時60歳程度の人たちが年金やそれまで稼いだお金を使わないでひたすら貯蓄に回していると考えられます。このお金をチャラにするという内容です。

今の政治構造では難しいでしょう。60歳以上の人口が多くて、かつ投票率が高いからです。自分たちが不利になる政策に賛成しないでしょう。でも、米国の大統領候補、サンダースさんのような政治家がいつかでて、若い人に対してリーダーシップを取ることができれば、若い人の力で過去の先輩方が残した積み上げ借金に対してデフォルトを起こすことも可能かもしれないですね。

参照3日本の個人資産:http://www.garbagenews.net/archives/2067203.html

いずれにせよ、日本の台所事情は悪い。かなり悪いということを念頭に将来を見た場合、それなりの対策は見えますね。お金があれば、他の通過で運用するか、不動産や物的資産に置き換えるというポートフォリを取るべきですね。また、信用がある人はある程度借金をしておくことも必要だと思います。ハイパーインフレになれば、一緒に借金もチャラになるし、デフォルトになっても同じ現象です。お金が無くても、政治にしっかり興味を持って投票をすることは基本ですね。



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