ストレスチェック制度は、法律による義務化ですので、どこの事業場も「実施すること」
に力点を置かれているのは仕方がないのですが、本当に大事なのは「実施した結果をどのように
活かすか」ということが大切です。
ストレスチェック制度の目的は、3点あります。
①自らのストレスの状況に気づくこと、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減すること。
②検査結果を集団ごとに集計・分析し、職場におけるストレス要因を評価し、職場環境の改善
につなげることで、ストレスの要因も低減させること。
③メンタルヘルス不調のリスクの高い人を早期に発見し、医師による面談指導につなげることで、
労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することです。
ストレスチェック制度の流れは、こちらをご参照ください →http://kokoro.mhlw.go.jp/etc/pdf/roudou_anzen201410-2.pdf
この背景は、以前ご案内したとおり、新型労災(セクハラ・パワハラ、長時間労働)から精神疾
になり、自殺・重篤な病状から労災認定が増え、企業にとっても生産性低下に繋がっていること
があります。
従業員50名未満の事業場は努力義務になっておりますが、時間外労働、パワハラ、セクハラ問題が原因で精神疾患等・自殺の問題になった場合は、労働契約書第5条(安全配慮義務)、民法715条(使用者等の責任)にもかかってきます。また、企業における従業員のメンタルヘルスの状況と企業業績の研究では、「2004年から2007年にかけてメンタルヘルス休職者比率が上昇した企業の2007年から2010年にかけての準備は、その他の企業と比較して悪化している」という実態が明らかにされました詳細はこちらを参照ください。http://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/14j021.html
ストレスチェック制度は、実施することだけで終わらず結果をどう生かしていくのか、衛生委員会で審議して審議して反映していくことが必要です。