インフレに備える

2015年3月5日 木曜日

失われた20年。日本はデフレに悩まされました。そして今日の日本はインフレを正として、その方向性に舵を取っています。インフレの実態を考えると、資産を現金で保有することは、価値を目減りさせることになります。

日銀は年率2%のインフレ目標を掲げています。これが現実におこると、毎年物価が2%あがります。例えば100万円の商品があるとします。インフレが2%でおこると次のようになります。

現在:100万円
1年後:102万円
2年後:104万400円
3年語:106万1208円
4年後:108万2432円
5年後:110万4080円
6年後:112万6162円
7年後:114万8685円
8年後:117万1659円
9年後:119万5092円
10年後:121万8994円

2%って小さいと思うかもしれませんが、複利が効いてくるのは後半です。20年後には、100万円の商品は1.5倍の価格になっています。

もし資産を現金で銀行に預けていれば、20年で物価が1.5倍になりますので、20年後には今と比較して現金の価値は2/3になることが分かります。これに対して銀行の金利は誤差レベルなので、上記の議論にずれは少ないでしょう。

もしこれがいくつか言われているシナリオのようにハイパーインフレになったら物価は何倍にも上昇します。もし銀行に預金したままだったら資産の実質的な価値は一気に目減りすることになるのです。

インフレがくることが分かっているのであれば、現金を保有するメリットはありません。資産を防衛するのであれば物価上昇に合わせて価格が上がる株や不動産へ投資することが打ち手になります。インフレがおこると日本円の価格が下がる可能性が高く、同時に円安が進みます。従って外貨を保有するという選択肢もあります。現物資産としての金も相対的に取引されるので有用です。

インフレが急激に進めば一時的な混乱のため株式や不動産価格は下落することも考えられますが、株式や不動産の価格は長期的には物価の上昇に収束します。少なくとも現金よりは資産の目減りを防ぐことができます。



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