戦争の予算とその名残

2015年3月3日 火曜日

太平洋戦争の書籍を読んでいて、改めて戦争の費用について驚いた。日中戦争を含む太平洋戦争の総費用額は当時の金額で1900億円。その頃の国家予算は一般会計で27億円程度。つまり、国家予算の70倍近い費用が費やされているのです。現在の国家予算を100兆円とすると、今の金額で7000兆円。

当然、このような金額は市場で調達することは不可能です。そのため国債を発行して当時も資金を調達しています。まぁ、このような状況かですから当然ながらインフレで国民の生活も相当に苦しくなることが考えられます。

そのため国は徹底的な国家統制を行います。今でも日本は沢山の規制に守られていると言われますが、当時の国家統制によってそのベースが出来上がったものも少なくありません。

日用品や生活必需品は価格統制の対象となりインフレに応じて価格を調整することを禁じられます。こうなると企業は利潤を得られなくなります。そこで政府が損失を補填するというからくりが生まれます。これは政府が力を強めることになり、賃金の定期昇給や就寝雇用に対しても政府の意向が強く反映されることになったのです。

なるほど。下請けや企業の系列、終身雇用等々。日本の伝統だと思っていた部分も戦時中に国家が統制した名残がかなりのこってるのです。



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