早嶋です。
大企業の問題解決ワークショップを行っている時に必ず話題になるのが報告書作成による業務効率の低下。ひどい組織では、上司に提出するために書式を変えて同じような報告書を複数作成する必要があるとか。
これらの作業は上司からの指示になっているため、ボトムでどのくらいの時間が失われているかについての議論は極めて浅い、若しくはされていない。
仮に、組織の中で二重に作成している報告書に毎日10分の営業が費やしているとします。営業が500人いると1日に5000分の工数を無駄にしている事になります。およそ83時間。大手企業の時給を5000円と換算すると、1日当たり415,000円のロス。年間の実働を250日としたら約1億のロスが生じています。これらのロスは直接利益を損ねることになりますから売上換算をすると利率5%の企業であれば実に20億円相当の売上になりますね。
ざっとしたフェルミ推定ですが、規模が大きい会社はそのような無駄、業務の効率低下を定期的に見なおすことが必要だと思います。
本来の報告書の役割は、企業の効率をあげ、無駄を省き、仕事を円滑に進めるためにあると思います。それが、報告書作成に時間を取られ、本来の業務に時間を避けなくなってしまう。まさに本末転倒です。
このような組織は報告書の意味を考えずに、作成して提出することが規範、つまり絶対的に守らなければならないルールになっています。従って書くがわも何となく無駄に気がついても、実際に声をあげません。