早嶋です。
人は、「自分はこうだ!」「自分が正しい!」というメガネ(視点、判断軸、拠り所となる考え方)を通じて考えているかもしれません。企業コンサルをしていて、自分が伝えたいことを一方通行で話をしても、多くの場合、理解が乏しいです。伝える本人は、自分のメガネを通して相手に理解していただこうと考えていますが、相手は自分のメガネを通して考えようとしているからだと思います。
そこで一方通行の伝え方から、双方向の伝え方に切り替えました。私が一方通行で伝えるのではなく、相手に多くを話もらうようにするのです。そのためにはコミュニケーションのあり方には工夫が必要でしたが、一方通行から双方向になることで、双方の理解度がグッと高まりました。
やはり、人は自分のメガネでモノゴトを観察することを無意識にしていたのです。ですから、「伝える方か相手のどちらか、或いは両方が双方のメガネはどのようなものか?」を意識的に考えながら話を理解することができれば、理解が深くなり、短時間で通じ合えるようになると思います。
対立の構図があれば、メガネの違いを考えるとスッキリします。双方がかけているメガネが異なっているため、双方の見かたが異なってくるのです。これは「目的の違い」「文化の違い」「捉え方の違い」等、様々なメガネの違いが考えられます。
例えば、上司と部下。上司は期日までに目的を遂行するために結論を急ぎたい。部下は遂行する立場として、じっくりとその背景を議論したい。双方の大きな目的は同じですが、この場合、互いがズームインする内容が異なってきます。そのため、双方にメガネの違いが出てきて対立の関係が生まれます。
例えば、営業と製造。営業は販売のことを考えて在庫の確保を望みます。製造はコストを下げることを望むため在庫を確保しないことを望みます。しかし双方は会社経営全体を良くしたいと考えているかも知れません。ですが、やはり双方が異なっているメガネをかけて異なった方向にズームインしています。対立の関係が生まれるのです。
一度成功した人は、中々たの人の考え方や手法を「理解しよう」「取り入れてみよう」とはしません。これも成功することによって、自分がかけるメガネを固定してしまった結果だと思います。ですが、時間の経過や状況の変化によってかけるメガネを変える必要があると思います。しかし、既にそのこと自体が脳裏にないので、まずは自分が正しくて、相手は間違っているだろう、となるのでしょう。
様々なメガネをかけて考える。そのためには、相手の意見を受け入れる。そして、全体の目的、自分の目的を達成するためにはどのメガネが最適かを考える。結果、よければそのメガネを受け入れる。悪い時にはじめて受け入れない。というココロの余裕と咀嚼する余裕が必要だと思います。