触覚と味覚

2006年12月16日 土曜日

早嶋です。

前回に続いて、五感に関してです。消費者は、常に五感を働かせて外部の刺激や情報を取り入れて購買の意思決定を行っています。その五感の中でも、視覚、聴覚、触覚、臭覚、味覚の順に強い刺激を受けるという研究結果があります。

さて、本日は触覚と味覚に関してです。

先日の新聞で、バーチャル・リアリティの技術を駆使して、特殊なグラブをつけると、実際に画像で見ているものを、あたかも触っているかのように感じるシステムに関しての記事がありました。しかし、現在のeコマースでは、まだまだ触覚と味覚を伝えるのは難しいとされます。

カシミヤのセーターやウールのジャケットなどを購入する時は、必ず生地の肌触りを確認するために触ると思います。物を購入するときに、触るという行為が、商品にとっては重要な意味を持つものがあるのです。

最近は、PCを使用することが日常になっている方もいらっしゃると思いますが、キータッチが変われば違和感を感じる経験があると思います。そこで、ノートパソコンなどの買い替えの場合は、このタッチの感覚はきわめて重要な判断基準になりますね。

花粉症のシーズンになれば、保湿性の高いティッシュと同様に、カシミヤティッシュなどと肌触りの良いティッシュが飛ぶように売れます。こちらも触覚を重視する商品です。

上記のように、実際に触った感触が購買行動の決定要素となるような商品はネット上での販売は難しいとされます。(ただし、既に購入した物や、仕様が初めからわかっているものに関しては別ですが。)

一方、味覚も非常に興味深いです。それは、一旦慣れ親しんだ味に対しては、新しい味を受け入れるのが難しいからです。正月の雑煮の話で、大阪の白濁した味噌ベースの雑煮を東京の人が食べたとしたら、見た目もさることながら、味の違いを受け入れないことでしょう。

日本の食品メーカーが東と西で原料の配分を異ならせ味を若干変えているのは有名な話ですね。味覚の嗜好を変えたり教育することは難しいので、その地方に味を合わせるといったことも必要になるのです。

薬なども、わざわざ甘さを感じるように工夫しているものがあります。歯医者さんで、ブラッシングの磨き残しを調べる薬もイチゴの味などをわざとつけています。

味覚や触覚は、購買意思決定の平均的な割合は視覚に比べて小さいです。しかし、商品によってはその重要性が異なってくるものもあります。マーケターとして重要なことは、まず、販売している商品と五感の関連性を調べることです。そして、五感の中で特に重要と判断される感覚に関しては、その感覚を広告でPRするときのポイントにしたり、セールスするときの売りのポイントにしたりする必要があります。また、顧客がそのポイントを試せるような工夫を考えることも重要ですね。

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