早嶋です。
トヨタのピンククラウン。その目的は2つあるのでしょうか。
1)話題作り
2)クラウンのブランドイメージである「大人の上質感」を一新させること
クラウンの売上推移を見ると苦戦という文字が浮き上がります。レクサスとのカニバライズも考えられるでしょうが、以下の数字を見れば、それ以上に振るわないクラウンの販売が目につきます。
2003年 11万台強 ※先代クラウン発売
2008年 7.5万台 ※現行クラウン発売
2011年 3万台
参照:http://clicccar.com/2012/09/24/199357/958ce5825212e43bf1f89bf8cef64d07/
もともとクラウンのターゲットは50から60代の男性です。しかし、今回は若年層、女性までターゲットを広げています。が、マーケティング・ミックスの価格は353万円から543万円なので手が出やすい価格帯とはいえない。デザインも決して女性や若者に受けるとは考えにくいです。トヨタが言っているターゲットもどうも怪しい。
参照:http://www.sankeibiz.jp/business/news/130119/bsa1301191347002-n1.htm
ピンクの話題に目につきますが、フロントグリルの大きなデザイン変更以外はトラディショナルなセダンの風合いを残しています。過去のクラウンはトヨタ車の中でもブランド・ロイヤリティが高い車種でした。従って、新車をリリースすればしっかり売れていたのです。ところがその神話は2004年で止まり、先に上げたように2008年のモデルチェンジでも期待通りにいかなかった。今回は、ぜひとも巻き返したいトヨタでしょう。
さて、そのピンクのクラウン。実際の販売時期は2013年末から。つまり新型クラウンの販売から時差を設けているのです。ってことは、販売台数を見込んでいないという推測が自然です。まぁ、マーケティングの雄とも言われるトヨタですので、クリティカルマスを超えることなど考えていないでしょう。
年間の広告宣伝費が428億円(2011円実績)のトヨタ。今回のピンクはやはり話題作りが目的だと思います。クラウンが話題にのぼり、対象顧客がクラウンを想起して、通常色のクラウンの購買に結びつく。ツイッターやフェイスブックでも「おっ、ピンクのクラウン!」というような書き込みを多数目にしました。
因みにトヨタの広告宣伝費は2008年には1000億円を超えていたのに、今では400億円台と減らしていることが分かります。マス広告からパブリックリレーションに媒体をシフトしていることもあるでしょう。売上(単独)で2008年は12兆円を超えていたのが、今は8兆円程度ですから、売上の削減額以上に広告宣伝費を減らしていることから経費の見直しを行なっているとも考えられます。因みに、400億円台はざっくり対売上比で0.5%ですのでかなりの削減ですね。
参照:http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2010/1204677_1612.html
参照:http://gyousekiman.blog133.fc2.com/blog-entry-9.html
ハチロクも、若者層の開拓を大々的に宣伝した結果、おじさま方が沢山あつまるという集客効果がありました。それを元々狙っていたとしたら、今回も同様の手法かもしれないですね。やはり、ピンクの目的は50から60代の従来のおじさまがたに興味を持ってもらうための完全なる話題作りだった、と。
今回のようなPR戦略、参考になりますね。
企業が、この人たちに売ろう。
として作ったものを違う人たちが買っていってくれる。事例はちょっと浮かびませんがままあるとおもいます。
トヨタは今回
いままで買ってくれてた人たちが買ってくれなくなったから、
違う人たちに売ろうとする。しかも、車体のカラーとかいったいささか表象的かつ突飛な方法で。
ま、単純に、私はクラウンはほしいですが。
今回のトヨタも結局はメインターゲットはもとの50代60代だと思います。今回のPRの方法は賛否両論ありますが、話題を読んでいる、実際的にはクラウンの本質を広めることにつながっている。という点でさすがだな、と思いました。
へ~、ピンクのクラウンですか。知らなかった~。
確かに話題作りですね。都市伝説になっちゃうかも。
なっちゃいますかね。
新規顧客の獲得により、売上全体をあげようということでしょうか
どちらが正しいか分りませんが、これによってパイを広げるというよりは従来の層に再び戻ってもらいたい、という感じもうけます。